アニメーション映画「メアリと魔女の花」が今月28日より中国大陸部で上映開始となる。同作の米林宏昌監督と西村義明プロデューサーがこのほど、公開初日の舞台挨拶のため北京市を訪れた。同作は、日本のアニメ映画の巨匠である宮崎駿監督の弟子である米林宏昌監督作品ということもあり、高い注目を集めている。米林監督自身もスタジオジブリで働いた20年間で、ジブリが彼に与えた影響は計り知れないとしている。北京青年報が伝えた。
「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」、「崖の上のポニョ」など、多くの宮崎駿監督作品の原画を担当した米林監督。米林監督がジブリ在籍時代に監督を務めた「借りぐらしのアリエッティ」や「思い出のマーニー」も、アニメ映画ファンの間で高い評価を受けている。今回の「メアリと魔女の花」は、米林監督がジブリ退社後に製作した初めての長編アニメ映画となる。西村プロデューサーは、「ポノックとは、クロアチア語の『午前0時』を意味する。それは1日の終わりであり、新たな1日の始まりでもある。自分は中国の故事成語の『温故知新』という言葉を大変気に入っており、何か新しいものを創り上げていく上でも、今までのものを忘れないというのが、スタジオポノックの名前の由来」と明かした。
米林監督は、「ジブリを離れてから、ジブリのような『魔法のような力』がない状態で新しくアニメ製作会社を立ち上げるということは、非常に困難で勇気のいる決断だった。そのため、『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』、『メアリと魔女の花』を通して、視聴者に自分で考えて、自分の足で歩けば、魔法のような力がなくても、勇気を出して新たな1歩を踏み出すことはできるということを伝えたかった」と語る。
自身の作品と宮崎駿監督作品の違いについて米林監督は、「今までのジブリ作品はファンタジックな要素が比較的多かった。現在は、宮崎駿監督も高畑勲監督も高齢となり、生と死や別れをテーマとした悲しいストーリーの作品が増えているように思う。一方、我々は新しい監督として、悲しいストーリーよりも、見る人を楽しい気持ちにさせる作品を作っていく予定だ」と話した。
米林監督は、18年間の原画担当を経てようやく監督としてのスタートラインに立った。今回の「メアリと魔女の花」では、9万4千万枚の原画の制作にあてた時間はなんと9千時間で、丸3年かけて完成させた映画作品となる。米林監督のこの「粘り強さ」は、西村プロデューサーをはじめ長年にわたり共に切磋琢磨してきた仲間たちの支えがあってこそのものだとしており、恩師である宮崎駿監督もしばしば激励してくれるとしている。(編集TK)
「人民網日本語版」2018年4月28日
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