日韓貿易戦争 北東アジア地政学転換の産みの苦しみ (2)

人民網日本語版 2019年07月17日12:19

だが、経済貿易分野の摩擦という禍を転じて福と為すことができるかも知れない。これによって韓国社会は再考を促されているからだ。韓国政府は現在、日本が対韓「貿易報復」を長期間継続する可能性への対処措置を講じるため、計画を策定中だという。韓国大統領府主導で政府、企業、政界による対日同盟を結成する方針だ。日本が対韓輸出を規制した3品目など対外依存度の高いコア部品、材料、機器に対して集中支援を行い、最短の期間内に国産化と独自供給を実現し、対外依存を脱することを目指すのが、その核心的措置だ。

だが、政治と安全保障の分野では、今回の日韓「貿易紛争」が両国関係に深い亀裂を残すのは必至だ。韓国の李洛淵首相は「安倍首相は対韓輸出の規制強化を対朝制裁決議の履行問題と同列に論じた。この論法はわれわれが現在まで維持してきた安全保障秩序を揺るがしかねない、危険な要素を含んだ発言だ」と述べた。

朝韓関係と朝米関係の改善が続き、朝鮮半島情勢も一段と緩和し、朝鮮半島核問題の解決に努力している現在、各国は朝鮮半島が冷戦の残した束縛から早期に脱し、朝鮮半島の休戦体制を新たな平和体制に転換するべく努力してもいる。この歴史的変化が北東アジアの従来の地政学構造・秩序を打破し、特定の国々の地政学的利益に衝撃を与え、北東アジア地政学の産みの苦しみを引き起こすことは間違いない。現在の日韓摩擦の集中的発生は、この地政学的な産みの苦しみの具体的な現れの1つであり、短期間で取り除くのは難しいだろう。北東アジアの地政秩序の再編を完成し、北東アジア経済共同体と北東アジア運命共同体を実現して初めて、北東アジア地域はより良く融合し、調和的発展へと向かうことができる。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年7月17日

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