『アメリカの罠』作者「米国司法に妥協を強いられた」

人民網日本語版 2019年07月05日14:29

2013年4月、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港。仏アルストム社幹部のフレデリック・ピエルッチ氏は米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。米司法省はピエルッチ氏を贈賄容疑で起訴したうえ、アルストムに7億ドル以上の罰金を科した。

この起訴はピエルッチ氏個人に対する行為というだけにとどまらず、仏企業に対する米国の一連の行動の1つだった。2018年9月にピエルッチ氏は再び自由の身となった。ピエルッチ氏は今年1月にフランスで『Le Piège américain』(アメリカの罠)を出版。「連邦海外腐敗行為防止法」を利用して国際競争の相手を叩く米国の内幕を自らの体験によって暴露し、世論に強い反響を引き起こした。人民網はこのほど、パリでピエルッチ氏への単独インタビューを行った。

■「アメリカの罠」とは?

ピエルッチ氏によると、「アメリカの罠」には国家、企業、個人の3つのレベルがある。米司法当局の標的にされたいかなる国際企業も、米「連邦海外腐敗行為防止法」の介入から無傷で逃れることはできない。

1977年制定の「連邦海外腐敗行為防止法」は本来、米企業による海外での贈賄を罰するものだった。だが米政府は同法に治外法権を与えて、米国の金融及びネットワークサービスを利用する外国企業に対して米司法当局が同法を強要できるようにした。2005年になると米政府は「米国愛国者法」も可決。米政府による多国籍企業の監視を合法化した。現在の「アメリカの罠」を作ったのが、こうした一連の措置だ。

ピエルッチ氏によると、2005年以降、米「連邦海外腐敗行為防止法」の主な標的は欧州企業だ。当時米国が得た100億ユーロ余りの罰金のうち、欧州企業が支払ったものが60%で、米国企業は15%に過ぎない。服役中、ピエルッチ氏は調査を重ねた結果「大部分の多国籍企業は米司法当局の腐敗行為防止調査を受けた時、米国市場から排除されないよう、いずれも直ちに米司法省と協力し、贈賄を認めて罰金を支払うことを選択する。このため、米司法省を前に10事例中9例が罪を認めて協議することを選択した。たとえ犯罪の証拠がなくても、量刑を大幅に緩和するためだけにだ」との結論にいたった。

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