敦煌の仏教遺跡・莫高窟を象徴する建築物「九層楼」前の広場にリアルな「九色の鹿」が登場し、壁画に描かれている飛天が道案内をしてくれる。これらは敦煌研究院と華為(ファーウェイ)が8日夜に共同で打ち出した莫高窟の内部の様子を、スマホを通して洞窟の外で見学できる新しい技術だ。同技術は、華為の5Gを活用したARクラウドサービス「河図(Cyberverse)」を採用し、デジタル敦煌の成果を活用しており、見学者はミステリアスな莫高窟の洞窟内を臨場感たっぷりに見学できる。中国新聞網が報じた。
スマホのアプリ画面を開くと、コミカルでかわいらしい「九色の鹿」がすぐに「飛び出して」来るほか、美しい飛天たちが見学者を取り巻くように舞い、見学ルートに従って案内してくれる。同技術ではナビゲーション機能「莫高窟ライブビュー」も搭載されており、スマホの画面には各洞窟の位置や時代などの情報が表示されているほか、矢印が出て、どの方向に歩くべきか示してくれ、見学者は敦煌のアートをより身近に体験できるようになっている。
敦煌研究院の趙声良院長によると、2019年3月から、提携している華為の最新技術Cyberverseを活用して敦煌のアートを見学できるようになったという。見学者は華為のスマホを使うと、洞窟の外にいながら、洞窟の中の壁画を隅々まで見学できる。そうすることで、見学者が洞窟の中にいる時間を短縮し、文化財の保護につながるのと同時に、見学者が得ることのできる情報量を増やすことができ、文化財の保護と一般公開のバランスを取ることができる。
敦煌研究院は1990年代初めからデジタル化技術を活用して敦煌石窟の研究データを保存し、これまでの約30年の間に、大量のデータソースが形成され、さらに、「デジタル敦煌」を世界中で共有し、敦煌石窟の保護、研究、発揚などの発展、進歩において重要な役割を果たしてきている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年4月11日