中国で博物館のライブ配信スタート

自宅でのリアルな文化財鑑賞を実現

人民網日本語版 2020年02月26日09:34

「山東博物館のライブ配信スタジオへようこそ。今日は皆さんに、当館で人気のアフリカ野生動物の大移動展を紹介します。当館がライブ配信をするのは今回が初めてですので、皆さんからのコメントを歓迎しています。また、転載や、『いいね!』も大歓迎です!」。今月20日夜、ライブ配信イベント「自宅で博物館を見学」がショート動画共有アプリ「Tik Tok」(抖音)で始まった。山東博物館のガイド・張丹丹さんと唐銘陽さんは、ライブ配信パーソナリティへと「華麗なる転身」を遂げ、その抜群のトーク力で、多くのフォロワーをゲットした。人民日報海外版が報じた。

同イベントは、中国国家文物局の指導の下、中国国家博物館、敦煌研究院、南京博物院、湖南省博物館、浙江省博物館、遼寧省博物館、山東博物館、山西博物院、広東省博物館など9博物館が共同で開催した。各博物館が優秀なガイドをパーソナリティとして選出すると同時に、異なる分野からゲストを招き、主なオンライン展示物をライブ配信で紹介。ネットユーザーは自宅で、文化財を鑑賞し、展覧会を楽しむことができた。

ライブ配信のトップバッターは、国家博物館の2019年の重要文化展「証古沢今——甲骨文字文化展」で、ガイドは、甲骨文字の発見からその成り立ちを皮切りに、その全容を説明。ネットユーザーを甲骨文字の世界へと案内し、貴重な甲骨文字を通して、商(紀元前17世紀頃-紀元前1046年頃)、周(紀元前1046年頃-紀元前256年)の時代の政治、文化、生活の様子を伝えた。ガイドの案内と共に、博物館内に展示されている文化財や画像、パネルの説明文などが、スマホやパソコンの画面にはっきりと表示され、ネットユーザーらは、「とてもリアルで本当に博物館で見学している気分になれる」と絶賛した。配信が終わり、Q&Aのコーナーが始まると、ネットユーザーからは、「甲骨文字にはどんな特徴があるの?」、「このライブ配信をもう一度見ることはできるの?」、「次の配信はいつ?」など、次々に質問が飛んだ。

美しい月と雲の風景を再現した名曲「彩雲追月」の美しいメロディーに合わせて、美しい花びらが画面に舞い、広東省博物館のライブ配信展覧会「臻于至美——広州琺瑯特別展」が開幕した。初めに画面に舞った花びらは琺瑯の器に描かれている美しい花びらで、ネットユーザーらは、配信開始と同時に、琺瑯の文化財の魅力に引き込まれていった。琺瑯と陶磁器の違いは?景泰藍は琺瑯の一種?生活の中でよく見るエナメルと、琺瑯はどんな関係?ネットユーザーらは興味津々とキュレーターのそれら説明を聞いていた。コメント欄には、中国の琺瑯を絶賛する声のほか、とても専門的な内容のコメントも続々と寄せられていた。

「私たちの後ろにある大きな木は、とてもユニークな樹形で、アフリカの人々は神の木として祭っています。そこで質問。この木の名前は何でしょう?」。山東博物館のライブ配信ルームで、ガイド2人が、生き生きとしたトークで、ネットユーザーと交流しながら案内する姿は、まさに中国で絶大な人気を誇るKOL・李佳琦さんのようだった。ライブ配信には、「初めてのライブ配信なのに、こんなにプロフェッショナルだなんて、2人のガイドに『いいね!』を送る」、「すごいトーク力。実際に行ってみたくなった」などの声が寄せられ、大好評。同博物館はたくさんの新フォロワーをゲットした。

20日から22日の3日間で開催された「自宅で博物館を見学」では、ライブ配信が9回行われた。「回帰之路——新中国成立70周年流失した文化財の回帰成果展」、書画文化展「又見大唐」などが好評を博した。また、特別ゲストとして、中国中央テレビ局(CCTV) の元アナウンサーである張泉霊さんが出演し、湖南省長沙市芙蓉区にある紀元前2世紀の墳墓・長沙馬王堆漢墓を紹介した。ライブ配信を通して、展示物を紹介するほか、各大博物館は、抖音にバーチャル・リアリティ(VR)オンライン展示ホールを開設、ネットユーザーは、自分の好きな展示ホールに入って、展示物を見ることができる。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年2月26日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング