危機の中でチャンスをつかむ中国経済

人民網日本語版 2020年04月10日10:34

新型コロナウイルスによる肺炎は中国経済に厳しい問いを投げかけた。産業の活発度は谷間に落ち込み、金融はより多くの不確定リスクに直面し、グローバル貿易も一時停止ボタンが押された。ポスト感染症の時期に、より多く考えることになるのは中国経済の強靱性と「危機の中でチャンスをつかまえる」能力だ。雑誌「半月談」が伝えた。

第三次産業に大きな打撃

感染症の影響で、1四半期近く動きを止めていた中国経済が、大きな痛手を被ったことは間違いない。感染症はグローバル経済の情景を変えてしまい、弱々しく安定に向かっていたグローバル経済の局面が打ち破られ、経済成長率の落ち込みは避けられなくなった。中国はミクロ的な発電における石炭消費量と稼働率をみると、3月の経済活動が前月に比べて目に見えて改善したものの、まだ前年同期の水準には戻っていない。3月中旬の発電における石炭消費量は前年同期の84%前後にとどまった。

現在、感染症による需要サイドの縮小が供給サイドにも波及し、多くの産業はニーズが先送りになり、一定期間内のニーズが消滅したケースもある。第三次産業の受けた影響が突出している。

2019年には、中国の国内総生産(GDP)で第三次産業が占める割合は53.9%となり、GDP成長への寄与度は59.4%だった。第三次産業は民間企業が中心で、たくさんの中小・零細企業、自営業者が集まる。現在、企業・業者の通常の経営生産計画は打ち破られたが、賃金、家賃、利息、税金など固定支出は支払わなければならない。リスクへの対抗力が弱い小規模・零細企業と個人事業者は大きな打撃を受け、その影響がすでに現れている。某旅行会社によれば、春節(旧正月、今年は1月25日)の連休前後に団体ツアーが中止になっただけで12億元(約185億円)の損失が出て、のべ13万人に影響があったという。

気をつけなければならないのは、海外で感染症が拡大し、中国の対外貿易が挟み撃ちに遭っていることだ。一方では、感染症の初期には、他国が中国からの輸出を制限し、多くの輸出注文がキャンセルか延期された。他方では、3月には海外で感染症が拡大し、海外市場が大幅に冷え込んで、グローバル供給チェーンが打撃を受け、そのマイナス影響はおそらく操業停止によるマイナス影響よりも大きい。

広州市の靴メーカーの責任者は、「当社は2ヶ月間も空転している状況だ。従業員が帰ってくれば、面倒をみなければならないが、注文がこない。中国で感染状況が深刻になると、海外の顧客は出荷されないのではと懸念して注文をキャンセルした。現在は海外で感染が拡大し、海外市場の需要が減少した。当社は挟み撃ちに遭っている」と嘆いた。

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