『ネイチャー』が社説でお詫び「ウイルスを武漢と関連付けたことに責任」

人民網日本語版 2020年04月10日10:24
『ネイチャー』が社説でお詫び「ウイルスを武漢と関連付けたことに責任」

雑誌『ネイチャー』の公式WeChatアカウント「Nature自然科研」は9日「新型コロナウイルスによるスティグマタイゼーションを止める」とする社説を発表した。同社説は、「新型コロナウイルス大流行の際、驚愕すべきレイシズムと差別の言説が騒がしく飛び交っている。特にアジア人を標的にした差別だ。今年2月、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスにより引き起こされる疾病を『COVID19』と命名した。この名称は公衆衛生情報を伝える大小の組織に速やかに採用された。WHOはこの名称を提示した時、『ネイチャー』を含め、かつて報道の中で誤って新型コロナウイルスを武漢や中国と関連付けた人や組織について遠回しに指摘した。我々の当初のやり方には確かに誤りがあった。我々はこれに責任を負い、お詫びいたします」としている。環球網が伝えた。

長年の間、人々はウイルス性疾患を感染が最初に大流行した地域等と関連付けるのが常だった。例えば中東呼吸器症候群(MERS)やジカウイルス(ウガンダのある森林から命名)だ。だがWHOは2015年のガイドラインで、スティグマタイゼーションと悪影響を減らすために、こうしたやり方を止めるよう求めた。

だが、各国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑制すべく努力している時に、少数の政治屋は依然として他国をスティグマタイズし続けている。米国のトランプ大統領は再三にわたり新型コロナウイルスを中国と関連付け、ブラジルのボルソナーロ大統領の子で下院議員のエドアルドは新型コロナウイルス感染症を「中国の過ち」とした。英国を含む他の地域の政治屋も中国は責任を負うべきだと言っている。

執拗にウイルス及びそれによる疾病を特定の地域と関連づけるのは無責任な行為であり、直ちに止める必要がある。感染症学者のAdam Kucharskiは2月に刊行した著書『The Rules of Contagion』で「大流行はいくつかの集団に対するスティグマタイゼーションを招きうるのであり、我々が言動を慎まなければならないのはこのためであることを、歴史は物語っている」と我々に注意を促した。

スティグマタイゼーションを阻止しなければ、排外主義や人種差別等の深刻な悪い結果を引き起こしうる。新型コロナウイルス感染症の発生以来、世界各地でアジア系が人種差別攻撃の対象となり、彼らの心身の健康と生計に対する損失を含む、数えきれない人的代償を生んだことは誰の目にも明らかだ。新型コロナウイルスによるスティグマタイゼーションはやめなければならない。これは一刻の猶予もならない。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年4月10日

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