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中国はなぜしばしば「双循環」に言及するのか?

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年09月04日10:51

中国共産党中央政治局常務委員会が5月14日の会議で初めて「双循環」を提起して以来、数々の重要な会議が新たな発展局面に言及するようになった。「双循環」とは一体何か。なぜ「双循環」が必要なのか。どうやって「双循環」を推進するのか。

国内と国外の「双循環」とは何か?

「双循環」は、主に国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国外の2つの循環が相互に促進し合う新たな発展局面を指す。

清華大学中国発展計画研究院の董煜執行副院長は、「第13次5カ年計画(2016〜20年)と第14次5カ年計画(2021〜25年)が切り替わる時期において、『双循環』は短期的な着眼点ではなく、中長期的な戦略だ。経済に限らず各方面の現在の情勢を総合的に判断し、それに対応する政策を打ち出して困難な状況を突破することで、今後は『双循環』が将来の中国の第14次五カ年計画の実施プロセス全体の中で貫かれると予測される。

「双循環」は主体的選択か、受動的選択か?

最近、中央政府が新発展戦略にたびたび言及する中で発している明確なシグナルは、中国の経済発展の戦略的重点が輸出主導型中心から内需駆動型中心へと加速的に転換していることだ。

加速というのは、モデル転換が一時的な思いつきの、やむを得ない選択ではなく、主体的な行動と長期的な計画に基づく選択であることを意味する。

実際、1998年にアジア金融危機に対処した時から、中国は経済発展の立脚点を内需拡大に転換し、それから20数年にわたりこの方向へのモデル転換を進めてきた。ここ数年は、内需駆動型の経済が形成され、貿易黒字の国内総生産(GDP)に対する比率は世界的に均衡水準とされている3%以下まで下がり、経済成長に対する内需の寄与度は数年にわたって100%を超えている。

日本、ドイツ、米国、英国などの大国の経済成長の法則をみると、一定の段階まで発展すれば、今度は外向型の発展モデルから次第に国内を中心にした発展モデルへの変化を遂げることが必要になっている。

そして今、中国国内の情勢をみると、中国経済がすでに高度成長から質の高い発展という新たな段階に進み、発展モデルを加速的に転換させることが必然的な流れになっている。

国際情勢をみると、世界は今、過去百年にもなかったような大きな変化の局面を迎えている。現在、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、世界経済が低迷し、一部の国では経済貿易の保護主義が台頭し、グローバル産業チェーンとサプライチェーンが極めて大きな調整の可能性に直面している。

中国の中央政府は長期的発展戦略に基づくと同時に、世界情勢の変化を踏まえて、目の前のことに対処すると同時に未来を見据えた理性的な行動を提起している。

「双循環」の新たな発展局面を提起することは、外部環境の変化の必然的な結果であり、中国国内の発展段階が転換する中で必ず通らなければならない道でもある。

中国国内の大循環とは門を閉ざして閉鎖的に運営することか?

中国国内の大循環を中心にするということは、決して門を閉ざして閉鎖的に運営するということではなく、内需のポテンシャルを発揮させることで、国内市場と国際市場がよりよく連結し、世界と中国の2つの市場および2つの資源をよりよく利用し、より力強く持続可能な発展を実現することをいう。

中国国際経済交流センターの魏建国副理事長は、「経済活動は決して孤立して行われるのではなく、1つの動態であり、サイクルを繰り返す循環のプロセスだ。改革開放がスタートしてから、中国はすでに経済グローバル化に深く溶け込んでいる。現在は感染症がグローバル経済貿易活動を大きく妨げているが、中国の内需拡大の動きは国際的な産業チェーン・サプライチェーンの協同やスムーズな流れと密接不可分だ」としている。

それゆえ、中国は開放的な環境の中で整った内需システムを構築しているのであり、国内と国外の「双循環」を切り離すことは絶対にできない。

中銀証券の管涛グローバルチーフエコノミストは、「国内の大循環を主体とし、内需拡大を戦略の基点とするというのは、鎖国して、主体的にデカップリング(切り離し)するということではなく、高水準の対外開放をさらに拡大することであり、特に商品・要素流動型の開放から制度型の開放に向かい、国の門を開けて建設を進めることである」と述べた。

独自のイノベーションが国内の大循環形成のカギ

生産と消費は経済の循環の起点と終点であり、国内の大循環を形成することは、国内需要に対する供給システムの適合性を引き上げ、需要が供給を牽引し、供給が需要を生み出すよりハイレベルの動的バランスを形成することにほかならない。国内需要に対する供給システムの適合性の引き上げにしても、需要が供給を牽引し、供給が需要を生み出すよりハイレベルの動的バランスの形成にしても、科学技術によるイノベーションが重要な役割を発揮しなければならない。

各国の発展の経験から明らかなように、労働生産性を持続的に高めようと思えば、イノベーションが駆動する内部充実型の経済成長を推進することが必要になる。企業は科学技術イノベーションを通じて新製品を作り出すことで、新たなニーズをもたらし、国内ニーズのポテンシャルを発揮させることができる。新たな技術革命という大きな背景の下で、科学技術イノベーションを通じて供給を推進し需要を生み出すことの役割がより顕在化している。

独自のイノベーション能力を向上させることは、決して簡単なことではない。第13次五カ年計画期間中、中国は独自のイノベーションをめぐってたくさんの取り組みを行い、相当な成果を上げた。第14次五カ年計画期間にも、イノベーションによる奨励メカニズム、イノベーションによる要素流通メカニズム、イノベーションチェーンと産業チェーンの協同的高度化メカニズムの中で、改革とイノベーションを進めることが必要だ。「双循環」の新たな発展局面の構築は一挙に成し遂げられることではなく、長く努力し続けることが必要になる。(編集KS)

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「人民網日本語版」2020年9月4日

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