中国が登録を申請していた「太極拳」および中国とマレーシアが共同で申請していた「送王船-人間と海洋の持続可能な結びつきの儀式と関連実践」の2項目が12月17日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界無形文化遺産に登録された。中国新聞網が伝えた。
これにより、ユネスコに登録された中国の無形文化遺産は42項目となり、登録数は世界トップとなった。(編集KM)
*太極拳
太極拳は、17世紀中ごろに形成されてから、代々伝承されてきた。太極拳の学習者は、中国全土はもとより、海外にも広く普及している。太極拳を修練することで、精神と肉体が鍛えられると同時に、中華民族の文化的基盤も伝承されてきた。太極拳には、陰陽の循環運動や天人合一(天と人は本来一体であるという考え方)」といった中国伝統の哲学思想と養生観念が組み込まれており、宇宙・自然と人体が機能する規律に対する人々の理解をいっそう豊かにしている。また、力みなく緩やかに、体軸をぶらさずにまっすぐに立つという太極拳の基本姿勢、師を敬う心、拳を学ぶ上で不敬行為は慎むこと、精神を正常に保つこと、現状に満足してはならないこと、など太極拳の価値観によって、学習者は、平和・包容・友好といった好ましい性質を、自然に身につけることができる。
*送王船
送王船は、中国福建省南部やマレーシア・マラッカ沿岸地区に広く伝わる除災招福の儀式。その起源は15世紀から17世紀まで遡り、「東南アジア進出」と「海上貿易」が盛んになるにつれて、次第に中国閩南地方から東南アジアに伝来していった。送王船は、昔の人々が海を渡った歴史に対する記憶を人々に伝え、人と自然の調和のとれた結びつきや生命尊重の観念を体現しており、全てを包み込む社会の発展を推し進めるために、豊かな文化・対話の資源を提供してきた。送王船に盛り込まれた、気象観察・潮汐・海流などの海洋知識と航海技術は、長きにわたり海上で生産生活を送って来た人々が生みだした智慧の結晶といえる。送王船は、中国・マレーシア両国の関連コミュニティから「共同遺産」と見なされており、中華文化が海上シルクロード沿岸国家に伝播・融合させた活き活きとした証だ。
「人民網日本語版」2020年12月18日