中国科学技術大学が15日に明らかにしたところによると、同大学の科学研究チームは人工木材の開発に成功した。その極限の耐圧強度、耐圧硬度、耐衝撃性、難燃性など複数の性能は天然の木材よりも優れている。中国新聞網が伝えた。
バイオマスのミクロ構造の解析を掘り下げ、いかなる粘着剤も必要としない高性能人工木材を製作したこの研究成果はこのほど、「国家科学評論」(National Science Review,NSR)に掲載された。
広く使用される構造材の木材だが、天然の木は大型の材料が珍しく、力学的な異方性が存在することから、現在広く使用されている建設用木材は主に集成材となっている。しかし従来の集成材は主に、ホルムアルデヒドを含む樹脂などの粘着剤により木の屑などのバイオマス原料を再構築して作られる。これにより集成材のコストが上がり、さらに使用中にホルムアルデヒドなどの有毒・有害ガスを放出し、使用者の健康を損ねる。そのため高性能のホルムアルデヒドを含まないグリーンな板材の開発は、従来の集成材産業の高度化発展にとって極めて重要だ。
中国科学技術大学の兪書宏院士のチームはこのほど、新しいバイオマス表面ナノ化プランを採用し、持続可能な新型異方性人工木材を作り、各方向に同じ力学的強度を持たせた。この新型人工木材は下から上へと作る方法によりサイズの制限がなくなり、さらに優れた難燃性と耐水性が備わった。また新型人工木材は優れた破壊靱性を持ち、極限の耐圧強度、耐衝撃性、サイズの安定性などがいずれも天然の木材よりも優れている。
この生産方法に基づき、さらに導電スマート人工木材を作ることができる。センシング、自主発熱、電磁遮蔽などのさまざまな応用を実現する。優れた電磁遮蔽性能を持ち、精密電子機器遮蔽基準を満たせる。
科学研究者によると、一種の全バイオベースの環境にやさしい材料として、この人工木材は一連のグリーンで全バイオマスの持続可能な構造材の生産に使用される見通しだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月16日