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【中国キーワード】有料知識コンテンツに2回目の波は来るか?

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2021年01月21日16:27

スマートフォンが現代人の生活に深く入り込むようになるにつれ、若者の学習スタイルがますます断片化し、有料知識コンテンツが黄金期を迎えている。2020年の新型コロナウイルス感染症の流行中には、有料知識コンテンツ業界が爆発的に発展し、大勢の人が家の中でカリキュラムを購入してさまざまな技能を身につけるようになった。中国の調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)は、「2020年に有料知識コンテンツ業界の規模は392億元(1元は約16.0円)を突破し、前年比41%増加するだろう」と予測した。有料知識コンテンツに2回目の波は来るだろうか。

有料知識コンテンツ、存在するものは合理的?

有料知識コンテンツは15年頃から発展し始め、16年には注目の話題になり、17年にピーク期を迎え、すでに5年以上の歴史がある。「2019年中国知識サービス重要産業トレンド報告」の調査によると、知識に関するサービスに料金を支払うことが受け入れられるようになったという。回答者の47%が、「価値のあるコンテンツに対し、提供者に合理的な報酬を支払うのは当たり前のことだ」との見方を示した。「知識は共有すべきもので、知識に対して料金を支払うのには反対」とした人は14%だった。現在の有料知識コンテンツに対して「満足しており、また購入しようと思う」は41%、「普通」は57%、「不満」は2%。有料知識コンテンツで主に求められているのは専門的な知識と個人向けの知識で、オンライン購入価格をみると、1件あたりの受け入れ可能な単価は500元までとなっている。子どもを対象にした知識では、親が試しに購入してみようと思うのは物語、カリキュラム、読書会など。有料知識コンテンツは初期の講義形式のものから発展して、今では生け花、絵画、英語教育などさまざまな面に広がった。

有料知識コンテンツに2回目の波は来るか?

有料知識コンテンツ業界への参入者が増えるにつれ、内容が似たり寄ったりになる、レベルが浅くなる、不安をあおる販売方法が登場するなどさまざまな問題が起こり、業界の成長ペースが鈍化した。艾媒諮詢のデータでは、19年の有料知識コンテンツ市場の規模の前年比成長率は87.5%で、18年の202.0%成長から急速に低下した。

一方、感染症の発生が有料知識コンテンツに新たな発展のチャンスをもたらした。感染症対策の影響で、人々は外出を制限され、空いている時間がたくさんできたので、学習意欲がかつてないほど高まった。艾媒諮詢のデータでは、20年の春節(旧正月、20年は1月25日)シーズンの感染症対策期間中には、有料知識コンテンツを購入した人が63.1%に上った。

こうした動きからわかるのは、インターネットと感染症がそれぞれ有料知識コンテンツ業界に非常に大きな発展チャンスをもたらしたことだ。

中国のQ&Aサイト「知乎」で文章を書いて月に2万元の収入を得ている創作者の陳舞雩さんは、20年初め頃の日々を振り返り、「あの頃、文章を発表する頻度は以前ほどではなかったのに、月収が初めて2万元を超えた。その後も基本的にこの水準を維持している」と話した。

知乎や喜馬拉雅(シマラヤ)などのプラットフォームがサービスを開拓し続けていくと、有料知識コンテンツの波が起こり、多様化したユーザーを引きつけた。艾媒諮詢の予想では、20年に有料知識コンテンツ業界の規模は392億元を突破して同41%増加するという。

知乎では、ますます多様化するコンテンツが汎有料知識コンテンツの状況を克明に映し出す。音声・動画によるカリキュラム、電子書籍、マガジン、論文バンクなどのほか、ネット文学もある。

喜馬拉雅は20年に各種カリキュラムを打ち出したほか、二次元コンテンツ、ゲームなどの娯楽コンテンツ、講演会や科学史講座など個人のスキルアップのコンテンツを新たに打ち出した。またプラットフォームには女性ユーザー向けのキャリアアップ、恋愛、美容・ヘルスケアなどに関連したコンテンツもある。

中身が商品の価値を決める基礎

中身が有料知識コンテンツの価値をほぼ決定し、消費者にお金を払いたいという気持ちを起こさせる。現在の有料知識コンテンツは主に2つのタイプに分類される。

1つは従来の意味での知識に関するコンテンツで、金融や歴史に関するコンテンツなどがこれにあたる。もう1つはコミュニケーション、感情、仕事、健康・ヘルスケアなどの分野でのリベラル・アーツに関するコンテンツだ。異なるタイプの有料知識コンテンツは中身の価値やユーザーの面で異なる特徴を見せている。

一方で、有料知識コンテンツの価値はそのコンテンツの専門レベル、実用性と比例する。従来型の有料知識コンテンツは専門レベルと実用性が高いため、その価格も高くなることが多い。

有料知識コンテンツは中身の価値の勝負

忙しくても時間を見つけて有料知識コンテンツを購入する人が増えているが、知識には「買うことイコール身につくことではない」という特徴がある。

曽琳さんは2年前には英語や財経などスキルアップカリキュラムを熱心に購入していた。「周りの人がスキマ時間を利用して勉強しているようなので、後れを取りたくなかった」と話す曽さんだが、しばらく「スキマ時間学習」をしてみて気づいたのは、それほど多くのことを学べていない現実だった。「一部のカリキュラムは質が低くて、半分も学べずにやめてしまった。たとえいいコンテンツがあっても、スキマ時間での学習では集中できなくて、実際のところ、大きな労力を費やしてもあまり成果が上がらなかった」という。

曽さんのようにかつては焦って有料知識コンテンツを購入していたが、自分を見つめ直し、購入に対して慎重になる人がますます増えている。そのため、感染症が有料知識コンテンツの2回目の波を引き寄せはしたものの、プラットフォームの中にはサービスを終了するところも出てきた。最近では、字節跳動(バイトダンス)が20億元を投入したコミュニティサイトの「悟空問答」が2月3日に運営を停止すると発表した。1週間前にも、バイトダンス傘下の有料知識コンテンツ「好好学習」が1月20日をもって運営を停止すると発表した。

調査会社の易観がこのほど発表した「2020年音声有料知識市場分析報告」によると、20年は感染症を受けてオンラインでの学習ニーズやスキルアップニーズが高まり、有料知識コンテンツが再び躍進したが、中身の価値こそが有料知識コンテンツのカギであると同時に、細分化されたユーザー層にそれぞれ焦点を合わせることも必要だ。利用者は、有料のカリキュラムや音声・動画といったコンテンツの価値を判断する力が必要であり、質の低い有料知識コンテンツで損をしないようにしなければならないという。(人民網日本語版論説員)

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「人民網日本語版」2021年1月21日

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