英国の駐中国大使が中国人フォロワーを失う理由 シンガポール紙が報道

 2021年03月10日09:24

シンガポール紙「聯合早報」は8日、「英国のウィルソン駐中国大使が中国人フォロワーを失う理由」との見出しの記事を掲載した。中国文化を愛し、ネットユーザーとよく交流し、端正で親しみやすい姿勢。これがキャロライン・ウィルソン大使が長い間をかけて築いてきたイメージだ。ウィルソン大使は中国での見聞を記録する動画ブログも公開している。苦心を重ねて、中国のSNSで無数のフォロワーを獲得した。だが「外国メディアは中国を憎んでいるのか」との投稿を行った後、状況が変化した。(文:蕭予)

ウィルソン大使は、自身が中国で積み重ねてきた人気が、この「友好的」記事の投稿後にほとんど失われた理由がよく分かっていないのだろう。

ウィルソン大使がツイッターに投稿したスクリーンショットは、微信(WeChat)公式アカウントへの自身の投稿がすでにシェア禁止となったことを示していた。言わんとするのは「見て、中国に言論の自由はないと言ったでしょう」ということだ。だが、善意ある人がコメントでウィルソン大使に注意を促したように、これは投稿が閲覧者から複数回通報された場合、自動的にシェアが禁止されるというWeChatアカウントの規則に過ぎない。つまり、ウィルソン大使は閲覧者の不評を買ったのだ。

中国国民が反発しているのは西側メディアの批判ではなく、そのダブルスタンダードだ。例えば、今年2月、中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は英BBCが宣伝した新疆維吾爾(ウイグル)自治区の「再教育キャンプ」での女性に対する「暴力」の「証人」という二人の女を批判し、両人が嘘をついていることを証拠を挙げて示した。だが外交部記者会見の会場にいたロイター通信の記者がその後報じた内容では様子が違っており、汪報道官の示した重要な手がかりを省き、中国外交部報道官の「女性への攻撃」を強調した。この件を知った中国国民は、西側メディアが中国に対してダブルスタンダードを適用していると考えた。

他にも、例えば今年初めにBBCが制作したドキュメンタリー「武漢に戻る」は、英語版は画面が暗いが、中国語版は通常のトーンであることが中国のネットユーザーにより指摘された。だが英語版も中国語版も制作チームは同じだった。中国のネットユーザーはこれを、生気がなくよどんだ中国を故意に示すための「あの世フィルター」とからかった。

中国に駐在する西側メディアのジャーナリストたちは、個人としては決して悪意を抱いて中国に来たわけではなく、ウィルソン大使のように長く中国に暮らして、中国文化を本当に好きになった人も多いかもしれない。ただ、ひとたび価値判断について述べるようなシーンになると、彼らは依然として従来のやり方に従い、見聞きした事実の一部を自動的に遮断する。

これまで、我々は中国を研究する西側の学者の一部によく「知中派」や「中国通」とラベル付けをしてきた。だが大体の場合において、その中にはイデオロギーの壁を越えられない人がやはり多くいた。ウィルソン大使は中国が西側の記者を追放したことに言及したが、米国が中国の記者を追放したことには言及しなかった。結果だけに触れ、原因には触れなかったのだ。ウィルソン大使の投稿は西側メディアの中国報道と軌を一にしており、語気が少し穏やかなだけで、言外の意味は難なく推測できる。親和力はただの仮面だったのだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年3月10日 

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