日本政府は13日、福島原発事故の汚染処理水の海洋放出を正式に決定した。外交部(外務省)の趙立堅報道官が同日の記者会見で、これに関する質問に答えた。
【日本の記者】原子力施設では正常な稼働時にも通常はトリチウムが発生しており、各国の基準に基づき希釈した後に海洋や大気中に放出している。報道によると、韓国や欧米など世界各地の原子力施設でもトリチウムを放出しており、中国の大亜湾原発も2002年に42兆ベクレムのトリチウムを放出している。日本政府の計画は汚染水を世界保健機関(WHO)の水質基準の7分の1にまで希釈してから放出するというというものだ。これについて中国側としてコメントは。
【趙報道官】福島第1原発では最高レベルの原発事故が発生した。そこから生じた汚染水は正常な稼働時の原発の汚染水とは全く別物だ。そうでなければ、日本もこれまで汚染水をタンクに厳密に密封しておく必要はなかった。両者を一緒くたにして論じることはできない。
以前、国際原子力機関(IAEA)専門家チームの評価報告書で、福島原発のトリチウムを含む汚染水を海洋に放出した場合、周辺諸国の海洋環境と公衆の健康に影響を与えることと、現有の汚染処理水にも依然他の放射性核種が含まれており、さらなる浄化処理が必要であることが指摘された。原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書でも、福島原発事故の汚染水の海洋生態環境への影響を持続的に追跡・観察する必要があるとの考えが示されている。またIAEAのグロッシー事務局長は12日、IAEAとして公正で客観的かつ科学的な方法で評価・監督作業を積極的に進め、各利害関係者と意思疎通を強化し、海洋環境や食品の安全性、人類の健康へのさらなる危害を回避すべく努力することを表明した。
こうした権威ある機関や専門家の意見に対して、日本は誠実な対応をするべきだ。他者の意見に耳を貸さないようではいけないし、ましてや国際的な公共の利益を顧みずに、単に福島の原発汚染水を海中に流して終わりにしてはならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年4月14日