無錫で34年間続くサクラの植樹 春には3万本のサクラが満開に

人民網日本語版 2021年04月08日15:42

春光うららかな3月になると、江蘇省無錫市にある太湖鼋頭渚景勝地に植えられたサクラ3万本の花が咲き誇る。ピンクの花が満開になったサクラの木がおだやかな春の色を演出し、春風が吹くと、桜吹雪が舞い、幻想的で息を吞むような景色となる。人民網が報じた。

3万本のサクラが花咲く無錫太湖鼋頭渚景勝地(撮影・袁蒙)。

平和を願い植えられたサクラ

1988年2月、長谷川清巳さん(写真右)率いる第一陣の桜友誼林建設友好訪中団が無錫を訪問した時の様子(写真提供・新發田喜代子さん)。

鼋頭渚のサクラは、日本と深い縁がある。1986年、長谷川清巳さんや坂本敬四郎さんなどの日本人が、日本友誼林を建設するために友好団体を立ち上げ、その後、無錫市にサクラの苗木を贈呈し、中日両国の民間友好交流活動を展開。今では鼋頭渚に、3万本のサクラが花咲くようになった。中日が共同で建設した日中共同建設桜友誼林保存協会前会長である長谷川さんは、日本政府の徴兵令に従い、第二次世界大戦中、中国侵攻に参加した旧日本軍の元兵士だ。長谷川さんは戦後、帰国してアパレル関係のビジネスを始めた。そして、中日両国の国交が正常化した後、中国を訪問し、親切なもてなしを受けた。しかし、「長谷川さんは以前にも中国に来たことがありますか?」、「当時、中国ではどんな仕事をされていたのですか?」といった質問を受け、返答に困ったという。戦争が両国の国民にもたらした深い傷を思うと、長谷川さんは何とも言えない重い気分になった。中国の人々も長谷川さんのそんな気持ちを察し、「過去の事を忘れ、楽しく一杯やりましょう」と慰めてくれた。

1988年2月、無錫でサクラの苗木を植える第一陣のサクラ友誼林建設友好訪中団(写真提供・新發田喜代子さん)。 

戦争に対する反省、そして、中国の人々が示してくれた友好的で、心の広い態度に感謝を示すべく、長谷川さんは中国に「桜友誼林」を作り、中日友好と世界平和を呼び掛けることにした。太湖のほとりの街で、情緒あふれる景色が広がるほか、気候も日本と似ており、サクラの生育にも適していたため、無錫に桜友誼林を作ることにした。中日双方の十数回の話し合いを経て、1987年、中日桜友誼林の建設が始まった。そして、1988年2月、日本の第一陣の桜友誼林建設友好訪中団が無錫を訪問して以降、日本からは毎年、訪中団が無錫を訪れ、サクラの苗木を植えるようになった。1990年の時点で、鼋頭渚の中日桜友誼林には約3000本のサクラが植えられていた。

中日桜友誼林記念碑(撮影・袁蒙)。

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