外交部(外務省)ウェブサイトに5日、「米国の民主の状況」報告書が発表された。報告書は、事実とデータ、各国の関連機関や関係者、専門家の見解を列挙することで、米国の民主主義制度の弊害を整理し、米国内の民主主義実践の混乱状況と民主主義を外国に「輸出」することの危害を分析している。新華社が伝えた。
報告書は「民主は人類共通の価値観であり、各国の国民の権利であり、特定の国の専売特許ではない。民主の実現には様々な方法があり、千篇一律ではありえない。多様性に富む世界の政治制度を単一の物差しで測り、多様な人類の政治文明を単独の目線で見定めること自体が非民主的だ。各国の政治制度は、その国の国民が自ら決めるべきものだ」と指摘する。
報告書は「歴史上、米国の民主主義の発展には進歩性があり、政党制、代議制、一人一票、三権分立等は、ヨーロッパの封建的専制に対する否定であり、革新であった。しかし時間の経過とともに、米国の民主主義制度は次第に異化・変質していき、民主制度の核心や制度設計の本来の目的からどんどん背離していった」と指摘。「制度の慢性的問題は解決が困難」、「民主の実践は混乱した状況がはびこっている」、「いわゆる民主主義の『輸出』は悪い結果を生んでいる」との3つの面から、米国における民主主義の異化及びその弊害を詳述している。
報告書はさらに、「米国は、国内的には、手続き的民主主義や形式的民主主義のみを重視して、実質的民主主義や結果的民主主義を軽視するのではなく、民衆の民主的権利をしっかりと保障し、自らの民主主義制度を整えるべきだ。そして対外的には、米国型民主主義を強要し、価値観を手段として陣営を区分けし、民主主義の旗印を掲げて実際には干渉・転覆・侵略を行うのではなく、より多くの国際的責任を引き受け、より多くの公共財を提供すべきだ」と指摘。
「国際社会は現在、新型コロナウイルスのパンデミック、経済成長の鈍化、気候変動危機など喫緊のグローバルな試練に対処している。各国は制度の違いによる溝を乗り越え、ゼロサムゲームの思考を捨て、真の多国間主義を実行し、平和、発展、公平、正義、民主、自由という全人類共通の価値観を発揚し、互いを尊重し、小異を残して大同につき、協力・ウィンウィンを図り、人類運命共同体を共に構築すべきだ」としている。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月6日