外交部(外務省)の汪文斌報道官は2日の定例記者会見で、「米国によるいわゆる『民主主義サミット』開催は、民主主義の名を借りて実際には民主主義を破壊する行動だ。グローバルな試練を前に、世界に必要なのは分断と対立を煽る『民主主義サミット』ではなく、国連憲章の趣旨と原則を基礎に真の多国間主義を堅持し、団結と協力を強化し、手を携えて共に試練に対処することだ」と述べた。
【記者】ロシア外務省は1日、米国が「民主主義サミット」開催を計画していることについて、「米国とその同盟国には『民主主義の灯台』を自任する資格はないし、自任すべきでもない。米国は国際社会におけるその非友好的行動によって、すでに国際社会からの信頼を喪失している。ロシアは全ての国々に対して、いわゆる『民主化』を広めず、新たな線引きをせず、国連憲章の定める各国の主権平等の原則を実際の行動によって守るよう呼びかける」とする声明を発表した。この事について、中国としてコメントは。
【汪報道官】中国はロシアの立場を称賛する。米国によるいわゆる「民主主義サミット」開催に対して、最近多くの国々の政界要人やメディアから批判の声が上がっている。タイのドーン副首相兼外相は、「サミットは完全に政治的目的によるもので、政治工作だ。タイは招待されていないことを、かえって喜ばしく思う」とした。ハンガリーのシーヤールトー外相は、「『民主主義サミット』には典型的な米国内政治の特徴がある。ハンガリーの民主主義は誰からの判定も必要としない」と指摘した。エジプト、サウジアラビア、イスラエルなど中東諸国のメディアは「民主主義サミット」について、米国が他国の内政に干渉し、覇権を維持するための道具だと論評した。米国型民主主義は中東と世界各地で死と破壊の種を蒔いた以外に、何ら価値のあるものを残してこなかった。上記のような批判の声はいずれも、米国による「民主主義サミット」開催が人々の支持を得られず、国際社会から広く反対されていることを物語っている。
米国は自国の基準で線引きをし、世界の半分の国や地域を「民主主義陣営」とし、残る半分の国を「非民主主義国家」としている。このようなやり方自体が民主主義の精神に背いており、民主主義を道具化・武器化し、民主主義の看板を掲げて地政学的戦略を推し進め、理念の異なる国を叩く米国の真の意図を露呈している。
長年にわたり、米国はアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)など政府機関や全米民主主義基金(NED)などいわゆる「非政府組織」を通じて、主権国家に入り込んで転覆を図り、「カラー革命」を煽動してきた。民主主義を広めるという名目で一方的制裁を科し、アフガニスタン、イラク、シリア、リビアなどの国々に対して軍事介入を行い、市民数十万人が死亡し、数百万人が負傷し、数千万人が家を失って避難する事態を引き起こしてきた。米国が人為的に世界を「民主主義」と「非民主主義」の両陣営に区分することは、世界にさらなる混乱をもたらし、各国の人々にさらなる災禍をもたらすだけだ。
実際には、「民主主義サミット」は民主主義とは無関係であり、民主主義の名を借りて実際には民主主義を破壊する行動だ。新型コロナウイルスのパンデミック、気候変動、テロリズム、経済回復といったグローバルな試練を前に、世界に必要なのは分断と対立を煽る『民主主義サミット』ではなく、国連憲章の趣旨と原則を基礎に真の多国間主義を堅持し、団結と協力を強化し、手を携えて共に試練に対処することだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月3日