このほど、解放軍報は著名な専門家や学者、ジャーナリストを招き、2021年度の10大国際軍事ニュースを選出した。
(1)中国軍の武器が飛躍的に発展
4月23日に艦艇「長征18号」、「大連」、「海南」の3隻が同時に就役し、9月には「殲-16D」、「無偵-7」、「教-10」等の装備が中国国際航空宇宙博覧会で初公開されるなど、今年は多数の新型兵器・装備が続々と登場した。これは中国軍が武器・装備の現代化を加速していくことを反映している。
(2)中国軍が30数ヶ国の軍に新型コロナウイルスワクチンを援助
今年、中国軍はパキスタン、カンボジア、フィリピン、シエラレオネ、スーダン、ラオス、レバノン、ハンガリー、ガボン、エチオピア、ジンバブエ、セルビア、ボリビア、ミャンマー、ベトナム、バングラデシュなど30数ヶ国の軍に相次いで新型コロナウイルスワクチンを援助した。
(3)中国軍が国際平和維持多国間演習を初実施
9月6~15日、国際平和維持演習「共同命運2021」を陸軍確山合同戦術訓練基地で実施。現在の国連平和維持活動(PKO)ミッションの主要な活動内容をほぼカバーする演習に、中国やモンゴル、パキスタン、タイなどの将兵1000人余りが参加した。
(4)中露両軍の実務協力が新たなブレイクスルー
今年、中露両軍は相互交流を頻繁に実施。ロシア軍は初めて中国で「西部・連合2021」演習に参加した。また、双方は共同で「海上連合2021」演習及び初の海上合同巡航、第3回合同空域戦略巡航を実施し、「平和の使命2021」合同演習に参加した。
(5)米軍がアフガニスタンから慌ただしく撤退
4月、バイデン米大統領はアフガニスタンに駐留する米軍の撤退を5月1日に開始すると宣言。その後すぐにタリバンが猛攻をかけ、8月にはアフガニスタン全土をほぼ制圧した。8月30日、米中央司令部は米軍のアフガン撤退任務の完了を宣言した。
(6)南中国海で米原潜が衝突事故
10月2日、南中国海海域で米海軍のシーウルフ級原子力潜水艦「コネティカット」の衝突事故が発生した。事故発生後、米側は極力情報を隠蔽。同原潜の航行の意図、事故発生の具体的地点、放射能漏れの有無などについて、未だに明確な説明をしていない。
(7)米英豪の原潜協力が重大な核拡散リスクに
9月15日、米国、英国、オーストラリアは新たな安全保障協力枠組(AUKUS)の創設を宣言した。米英両国は豪海軍の原子力潜水艦部隊創設を支持し、豪側は米英と協力して豪州で原潜を建造する。この情報を受け、直ちに地域の国々や国際社会は警戒し、阻止に向けた動きを取った。
(8)ロシアとウクライナが国境地帯に軍配備、両国関係の悪化が加速
今年11月以降、ロシアとウクライナの関係悪化が加速。両国は国境地帯に多数の軍事要員・装備を配備した。2014年のウクライナ危機勃発後、ロシアとウクライナの関係は急激に悪化したが、最近のように国境地帯に軍を配備する一触即発の事態は異例だ。
(9)日本が防衛力整備を「守」から「攻」へと転換
11月26日、日本政府は臨時閣議で防衛省の提出した7738億円の2021年度補正予算案を正式決定した。昨年12月に決定した5兆3400億円と加えて、日本の年度防衛費は初めて総額6兆円を突破した。近年、日本は米国の黙認、ひいては支持の下、「領域横断作戦」能力を高め続け、攻撃型部隊を発展させ、防衛力整備の「守」から「攻」への転換を企てている。国際社会は強く警戒する必要がある。
(10)EUが防衛統合を推進し、「欧州軍」創設へ
今年5月、仏独を含むEU14ヶ国は5000人規模の即応部隊の創設を提言した。EU高官によると、陸海空軍を含む同部隊は2025年に正式に発足する。規模は限定的だが、この即応部隊は「欧州軍」の雛型を示すものだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月30日