中国の秦剛駐米大使はこのほど、米国の大手メディア複数の編集長やベテラン記者による共同取材に応じた際、「中米間には確かに競争が存在するが、競争はゼロサムゲームではなく、公平で健全なものであるべきだ。競争はボクシングの試合ではなく、競走であるべきで、互いを促進し合うことで共にベストのパフォーマンスを発揮するものであるべきだ。双方は協力の機会を見出すことで、自らを高めると同時に、互いに発展を実現することもできる」と述べた。新華社が伝えた。
「バイデン政権はどのような米中関係の発展を望んでいると考えるか」との質問に対し、秦大使は「バイデン大統領は『米国は中国と良好な関係を維持することを望んでおり、関係を壊すことは望んでいない』と述べた。しかし現在、米側は米中関係を『競争』と定義している。中国側はこれに同意してはいない。競争で関係を定義すると、過去40年余りの間、中米関係の主たる基調であり続けた協力という要素が軽視されてしまう。このまま両国が競争していけば、対立や衝突の発生リスクが高まり続けるだろう」と指摘。
「中米間に確かに競争が存在するという点には、我々も同意する。だが競争はゼロサムゲームであるべきではなく、ましてや勝つか負けるかでもなく、公平で健全なものであるべきだ。公平とは、一方がルールを決めてもう一方に遵守させるのではなく、双方が共に広く認められた国際関係の準則を遵守する必要があるということを意味する。我々は国連憲章や世界貿易機関(WTO)のルールなど、国際的に広く認められたルールを遵守する必要がある。また、競争を相手をノックアウトするものと見るべきではない。競争はボクシングの試合ではなく、競走であるべきで、互いを促進し合うことで共にベストのパフォーマンスを発揮するものであるべきだ。双方は協力の機会を見出すことで、自らを高めると同時に、互いに発展を実現することもできる。我々は、これこそが健全で公平な競争であると考える」と述べた。
秦大使は「現在の中米間の『競争』は公平ではなく、米国は『競争』を理由に中国の発展を抑え込んでいる。これには、いわれなき多くの中国企業叩き、国家安全保障という概念の際限なき拡大と乱用、多くの中国企業の各種規制対象化あるいは上場廃止など、多くの事例がある。このような『競争』は残酷で暴力的な攻撃であり、私が懸念しているのは、まさにこの点だ。米国が同盟国に働きかけ、連携して中国を現行の国際システムから排除しようとしているため、中国企業は米国内で制限されるだけでなく、世界の産業チェーン、サプライチェーン、科学技術チェーンから排除される危険にも直面している。このような競争は悪質であり、止めなければならない」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月27日