2021年9月17日、海南威特建設科技有限公司のプレハブ建築ユニット製造現場で、従業員が鉄筋を縛って固定する作業をテンポよく進めていた。(撮影・蘇弼坤。写真提供は人民図片)
410の鉄骨構造部品、197の屋根ユニット、170の太陽光発電システム・カーテンウォールのユニット。北京市昌平区にある未来科学城では、建築面積1063平方メートルに達する国家エネルギー集団の建築物一体型太陽光発電(BIPV)センターの壁体が、わずか7昼夜でまるで「積み木」のようにあっという間に組み立てられた。
プレハブ住宅はユニットをあらかじめ工場で生産し、現場で組立・設置するモデルを採用し、標準化設計、工場化生産、プレハブ工法、一体化した内装、情報化管理を特徴とした新しい建築工法だ。これにより、建築物の省エネ、環境保護、サイクル全体の価値最大化の持続可能な発展を実現できる。
ここ数年、プレハブ建築は中国で急速な発展を遂げている。データを見ると、2020年には全国31省(自治区・直轄市)と新疆生産建設兵団で着工したプレハブ建築は前年比50%増の6億3千万平方メートルに達し、新築建築物の全面積に占める割合は約20.5%になった。
2021年8月17日、湖南省婁底市双峰県永豊街道城坪橋村で、作業員が軽量鉄骨を用いたプレハブ住宅の建設作業を急ピッチで進めていた。(撮影・乃継輝。写真提供は人民図片)
住宅・都市農村建設部(省)がこのほど通達した「第14次五カ年計画建設業発展計画」は、「2025年にはプレハブ建築が新築建築物に占める割合を30%以上とする。また新築建築物の施工現場で排出される建設廃棄物を1万平方メートルあたり300トン以下に抑え、建築廃棄物の処理・再利用市場のメカニズムをほぼ構築し、複数のグリーン建設モデルプロジェクトの建設を進める」と打ち出した。
従来の現場打ち工法に比べ、プレハブ工法は施工ペースが速いだけでなく、施工過程での建築廃棄物の排出を効果的に減少させることができ、さらに粉塵や騒音などの環境汚染を減少させることも可能だ。業界関係者は、「プレキャスト化率35%の30階建て住宅プロジェクトを例にすると、プレキャスト工法の建築物は従来の現場打ち工法の建築物より工期を最大で45%短縮し、エネルギー消費量を最大で40%減少させ、現場の作業員数を最大で75%カットし、建設で生じる粉塵を最大で30%削減することができる」と述べた。
2021年11月3日、江西省の贛州建築工業化有限公司のプレハブ建築生産現場で、従業員が注文を受けた製品をスピーディに製造する様子。(撮影・胡江濤。写真提供は人民図片)
建設業は国民経済の基幹産業の1つであり、ここ数年は改革発展が進んで目覚ましい成果を上げている。第13次五カ年計画期間中、中国の建設業の付加価値額の年平均増加率は5.1%になった。20年の全国建設業生産額は26兆3900億元(1元は約18.1円)に上り、付加価値額は7兆2千億元で国内総生産(GDP)の7.1%を占め、施工床面積は149億4700万平方メートル、建設業の従業員数は5366万人に上った。同時に、建設業には発展の質と効率が低いという問題が引き続き存在し、発展モデルが粗放的で、労働生産性が低い、エネルギーの消費量と汚染物質排出量が多い、市場の秩序が規範化されていないなどの点に問題が集中的に現われている。
建設業のモデル転換と発展をさらに推進するため、同計画はスマート建造と新型建築工業化の協同発展を加速することを打ち出した。その具体的な内容として、プレハブ建築の推進・拡大と応用に力を入れ、高品質の鉄骨構造住宅の建設を積極的に推進する。学校や病院などの公共建築物では鋼構造を優先的に採用するよう奨励する。複数のプレハブ建築の生産拠点を育成する。建設会社、インターネット企業、科学研究機関などが協力を展開し、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、ブロックチェーンなどの新世代情報技術の建設分野への融合応用を強化することを奨励する、などを打ち出した。
同計画に基づき、25年には建設業の質の高い発展のシステム・枠組みを大まかに形成する。建設の工業化、デジタル化、スマート化のレベルを大幅に引き上げ、建造方法のグリーンモデル転換で大きな成果を上げることを目指す。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年2月15日