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2022年、最初の「00後(2000年代生まれ)」が正式に社会人となった。「80後(1980年代生まれ)」、「90後(90年代生まれ)」、「00後」と比べるとより優れた物質的条件と教育環境があり、彼らはより強い自己意識を持っている。この世代は仕事を探す際に自分たちならではの特別な要求があり、先輩たちが口にするような「給料面で将来性がある」や「給料が高く、仕事が少なく、職場が家から近い」といういわゆるコストパフォーマンスのいい仕事は、彼らにとって次第に魅力のないものになっているようだ。中国新聞網が伝えた。
就職したばかりの羅傑さんは、給与水準よりも経営者の品性と仕事の雰囲気を重視しているとし、「いたたまれない雰囲気で、ボスが何かというとすぐ怒り出すような環境で仕事するのは受け入れられない」と言い切る。羅さんは、「コンテンツ制作の仕事は、ボスが何かというと怒り出していたのでは、仕事の際の気持ちに深刻な影響を与え、さらには仕事の効率にも影響してしまう」と話す。
「ある時面接で、ボスからほかに何か要望はあるかと聞かれたので、『私に対して怒らないでほしい』と答えた」と羅さん。幸い、相手は羅さんの要望を快く受け入れてくれたという。
「この仕事が社会に出て初めての仕事。入社後、ボスが私を怒ったことは本当にない。一度だけ、もう少しで怒り出しそうになったことがあったが、なんとか怒りを抑えていた」と羅さんは言う。
こうした「00後」の新社会人は、就職活動の際にも仕事が個人の成長や趣味と合っているかを重視している。
賀晴さんは卒業後、ある銀行に就職した。仕事は楽だし、仕事のテンポも速くはなかったが、ずっとその仕事が好きになれずにいる。現在、賀さんは周囲の人にとっては「給料が高く、仕事が少なく、職場が家から近い」という仕事を辞めて転職してしまおうと考えている。「自分にとって、自分の好きな仕事を探すことが一番大切。給料は高くなくてもいいけれど、自分が好きな仕事でなければいけない。そうでなければ失業してしばらく家にいても構わない」と語る。
前出の羅さんによると、羅さんのある友人は自分の専攻が活かせる勤め先でワクチン関係の仕事をしていた。半年働いた時点で、年末のボーナスだけでも15万(1元は約19.0円)ももらったが、結局きっぱりそこを辞めて日本に留学した。その友人は、「給料と待遇がこんなにいいと思わなかったけれど、個人の長期的キャリアプランを考えると、大学院を受けて、さらに学ぶことのほうがより意義があると思った」と言っているという。
求人プラットフォームのBOSS直聘研究院が先ごろ発表した「00後グループ職業選択嗜好調査報告書」(以下「報告書」)でも、職業と個人の趣味や好みとのマッチング度が「00後」が仕事を選ぶ際の重要な指標となっており、50%以上の「00後」が職業と趣味がマッチしていることを望み、比較的自身の特徴とニーズを尊重していた。一方、「85後(1985年から1989年生まれ)」ではこのような考え方をする人はわずか30%だった。
また、「報告書」によると、「00後」は求職時にあまりこだわりがなくなっており、二線都市や三線都市での就職に対する受容性が明らかに高くなり、仕事と生活のバランスを追求するようになっている。同時に、「00後」は仕事を通して個人が成長できるかや、職業と趣味がマッチしているかを特に重視しており、金銭的リターンに対する重視度は下がっていた。副業やフレキシブルワークを試したいという意向もあり、専攻した内容が活かせる仕事や長期的なキャリアプランにはあまり注目しておらず、求職の面で相対的に柔軟性が高く、あまりこだわりのない「仏系」だった。
求職サイトの智聯招聘が先ごろ発表した「大学生就職力調査報告書2022」によると、2022度大学卒業生のうち、会社などへの就職を選んだのは昨年より6%少ない50.4%で、フリーランサーになる人やすぐには就職しない人の割合は昨年より約3%多かった。
専門家は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、質の高い就職口は相対的に減少し、それに伴って卒業生の選択の余地が縮まり、質の高い就職口をめぐる競争が激しくなった。すぐには就職しないことも、質の高い就職口をめぐる競争の表れと言えるだろう」と指摘する。
特筆すべきは、上述のBOSS直聘「報告書」によれば、「00後」は相対的に中小企業を受け入れており、求職時に企業規模や影響力のみにこだわっていないという点だ。うち、71%の「00後」は規模が500人以下の中小企業と実際に連絡を取るか面接を受ける計画で、69%の「00後」は調査の際、雇用主の有名度を就職の際に主に考慮する要因に入れていないと答えた。2022年の大学卒業見込み生が初めて1000万人を突破するという局面を前にして、中小企業が「00後」の重要な就職受け入れ先となることが見込まれる。(編集AK)
「人民網日本語版」2022年5月17日