中国の科学者、新型の吸入式ワクチン技術を開発
中国の科学研究者は「ナノミクロン複合」多層構造を持つ単回投与粉吸入式ワクチン技術を開発した。この技術を利用し、実験室で新型粉吸入式ワクチンの作成に成功した。動物モデルの試験によると、同ワクチンは呼吸器系ウイルスの感染と拡大を効果的に遮断できる。これに関連する研究成果は14日に「ネイチャー」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。
中国科学院プロセスエンジニアリング研究所の馬光輝院士及び魏煒研究員のチームは、長年にわたる均一なマイクロボールの作成と生物製剤の研究を基礎に、ナノ・マイクロ複合送達の新理念を打ち出した。構造を均一に制御できる徐放性マイクロボール技術を、軍事医学研究院の研究員である王恒樑氏と朱力氏のチームが研究開発したタンパク質抗原ナノ粒子と結びつけることで、新型ワクチン技術の開発に成功した。
論文の共同連絡著者である魏氏は、「ナノ粒子の表面は複数種類の抗原を同時に提示することができ、広域免疫応答を誘導でき、ワクチンの保護効果を高めた。同時に抗原提示の柔軟性により、同技術は迅速かつスムーズにその他の呼吸器系ウイルスワクチンの構築を遂行できる」と説明した。
同ワクチン技術を検証するため、研究者は同技術を利用し粉吸入式新型コロナウイルスワクチンを作成した。このワクチンはマウス、ハムスター、ヒトを除く霊長類で、高速・長期間・高効率の「粘膜―体液―細胞」という3重の免疫応答の誘導を実現し、新型コロナウイルスの感染と拡大を効果的に遮断できる。
魏氏は、「この新しいワクチン技術で作成されたワクチンには、送達の効果が高く、常温で保管・輸送しやすく、徐放の薬効が長いなどの特徴がある。ワクチン粒子は直接肺胞に到達し、効果的な沈積を実現できる。このワクチン技術は将来的に新型の突発的な感染症に対し、ワクチンのスピーディな構築と感染症の効果的な予防・治療を実現する見込みだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年12月15日
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