海底撈・喜茶など 中国式飲食ブランドの海外進出が加速

人民網日本語版 2024年06月12日13:40

海外で「いつもの味」を食べられないと心配することはなくなった。今や中国で人気の多くの飲食ブランドが海外店舗をオープンしている。喜茶や蜜雪氷城などのミルクティ店がドバイやエジプトに上陸し、競争の場を中国国内から海外へ広げた。火鍋ブランドが米国のショッピングセンターに進出し、海底撈や小肥羊は多くの食通の心を掴んでいる。人民網海外版が伝えた。

中国の飲食ブランドの海外進出は、中国の飲食業の実力とブランド意識の向上を体現しており、中国の飲食文化をよりよく広めることにもつながる。

火鍋ブランド「海底撈」のフィリピン・マニラ支店の前に行列ができていた。(撮影・肖海)

火鍋ブランド「海底撈」のフィリピン・マニラ支店の前に行列ができていた。(撮影・肖海)

火鍋ブランド「小肥羊」のカンボジア店舗のオープン初日の様子。(撮影・白笙)

火鍋ブランド「小肥羊」のカンボジア店舗のオープン初日の様子。(撮影・白笙)

海外進出が加速 中国の飲食ブランドがより豊富に

火鍋は海外の食通たちに最も人気の中国料理の1つだ。今年3月末現在、海底撈の海外子会社の特海国際は国際市場で海底撈ブランドの火鍋レストラン119店舗を経営している。しゃぶしゃぶチェーンの呷哺呷哺餐飲管理有限公司はシンガポールで呷哺呷哺ブランドの海外初店舗をオープンした。

中国のミルクティブランドもアジアからオセアニアにまで広がっている。23年末、喜茶の米国1号店がニューヨークのブロードウェイで営業をスタートし、初日の売り上げは2500杯を超えた。23年8月末から、喜茶が英国、オーストラリア、カナダなど各国の中心商業圏で相次いで現地1号店をオープンした。蜜雪氷城も同年に日本とオーストラリアへの進出を明らかにし、1号店のシドニー店は初日に2万4000元(1元は約21.7円)を売り上げた。奈雪的茶はタイ店舗をオープンし、茶百道は韓国・ソウルを海外1号店をオープンする場所に選んだ。

オランダ・ロッテルダムで働く羅さんは、「オランダで生活して6年になる。来たばかりの頃は、本場のミルクティは飲めなかったし、おいしい火鍋も食べられなかったが、ここ数年でオランダに進出した中国の飲食ブランドがますます多くなり、特に火鍋店が増えて、重慶出身の自分としてはすごくうれしいことだ」と話した。

海外進出した中国の飲食は種類がますます多様化している。正餐、ファストフード、カジュアルメニュー、軽食など細分化された各業態のトップブランドはどこも海外での事業展開に積極的で、コーヒー、新茶飲料、火鍋、烤鱼(焼き魚のスープ煮込み)、麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理)などさまざまなジャンルが展開されている。23年には酸菜魚(白身魚の酸菜ピリ辛煮)で人気のファストフードチェーンの「魚你在一起」が、ニューヨークやドバイなどに加盟店舗をオープンすると発表した。フライドチキンで人気のファストフードチェーンの正新鶏排は、海外で新たに34店舗を増やす契約に調印し、日本の東京の新店舗はオープン初日の売上高が1万5000元を超えた。年初以来、浙江省杭州市の飲食ブランドが相次いで海外に進出している。外婆家は米国・ニューヨークに初店舗をオープンし、台州市の名物料理を出す新栄記は日本の東京に海外1号支店をオープンした。このようにブランドの種類がますます豊富になるとともに、高級料理へと向かう流れがある。

中国の飲食ブランドがここ数年、こぞって海外進出するのはなぜ?

政策ボーナスの後押しで、企業は海外進出への自信を深めている。今年3月、商務部(省)をはじめとする9当局が「飲食業の質の高い発展促進に関する指導意見」を発表し、中国の飲食業の海外進出を加速させることを提起し、飲食業の経営主体が海外市場を積極的に開拓することを支援するとした。重点国・地域と検査検疫などの分野での協力を強化し、中国料理の料理人が海外で働くことを積極的に推進し、飲食の原材料・補助原材料などの国際市場への進出を支援することも打ち出した。

広東省食品安全保障促進会の朱丹蓬副会長は、「海外進出は業界が発展する中で出てきたニーズに対応することでもある。23年の全国の飲食業の売り上げは前年比20.4%増の5兆3000億元で、同年に新たに登録された飲食企業は300万社を超え、1万店を擁する複数のブランドが形成され、市場競争が激しくなった。多くの企業が店舗配置ですでに天井にぶつかり、これからさらに営業収益を増やし、利益を上げるために、海外進出ニーズがますます高まっている」と述べた。

現在、中国の飲食業は海外で順調に発展している。米ビジネスコンサルティングのフロスト&サリバンの予測では、26年までに海外における中国式飲食市場の規模は3兆元に迫り、火鍋市場だけで2000億元を超える見込みだという。

専門家は、「中国の飲食ブランドにとって、海外に居住する中国人と中国人留学生が最も大きくて安定した顧客層だが、中国の飲食ブランドの影響力をさらに高めるには、より多くの外国人消費者を引きつけることも必要になる」と指摘した。大手レストランチェーンのヤムチャイナの関係責任者は、「現在、中国の飲食ブランドの標準化とブランド運営能力は質的に向上しており、長期にわたり市場を育てた結果、海外の消費者は一般的に火鍋を認知し受け入れるようになった。火鍋をトップ品目として、中国の飲食ブランドは海外の顧客に普及するための基盤ができており、国際的な中国料理の消費者が徐々に増えている」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年6月12日

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