「中欧班列」が結んだ縁 列車運転手と留学生の国境を越えた恋

人民網日本語版 2025年02月25日15:39

背の高いイケメンの中国人列車運転手と、美人で優しい00後(2000年代生まれ)のタイ人女性が、国際定期貨物列車「中欧班列」に関する論文の縁で結ばれてゴールインし、感動的な「国境を越えた恋」が成就した。

馬文東さん(29)は中国鉄路西安局集団有限公司新豊鎮車両基地の列車乗務員で、2018年に社会人になり、19年に副運転士に昇進し、21年に「中欧班列」の運転士に抜擢された。

それから3年あまり、手はハンドルを握り、「中国製造(メイド・イン・チャイナ)」の製品を陝西省の延安から西安国際港駅まで列車で運び、同駅からさらに海外へと輸出する業務に従事してきた。

列車の運転手という職業柄、大部分の時間を線路上で過ごす。馬さんも例外ではなかった。しかし馬さんは自分の「国境を越えた恋」について話し、「以前に列車の運転手は結婚相手を探すのが難しいというのを聞いて、ちょっと心配していたが、まさかこんな幸運がやってくるなんて思いもしなかった」と、縁の不思議さにしきりに感嘆していた。

時間は22年にさかのぼる。当時、西北工業大学に留学していたタイ人の蘇維維(Wilawan Kunlawong)さんは、中国と海外との貿易について論文を書く準備をしていた。そのうちの一部は「中欧班列」に関する内容だった。

同級生の紹介で、蘇さんは新豊鎮車両基地に連絡を取って話を聞けることになった。関係当局は、仕事の能力が高く、経験も豊富な馬さんを論文作成のサポート役として蘇さんに推薦した。

蘇さんは小さい頃から中国語が好きだった。中学時代には中国語の授業を受講し、さらに中国語コンテスト「漢語橋」のタイ大会に出場して全国3位になったこともある。そのため、蘇さんは中国語で非常にスムーズに馬さんと交流することができた。

「中欧班列」が輸出した「中国製造」のことから、「中国班列」が運んできた「輸入正月用品」のことまで、馬さんと蘇さんは話せば話すほど意気投合した。論文が完成すると、蘇さんは馬さんのサポートに感謝し、馬さんを食事に招いた。だが食べ終わった馬さんは「自分が奢る」とどうしても蘇さんにおごらせようとしなかった。

「背が高くてかっこいい。いろんなことを知っているし、責任感も強い」

「優しくてきれい。中国語が上手で、とても誠実な人だ」

2人は初対面で、相手に好感を抱いた。そして2つの心は互いに引かれ合いながら、ゆっくりと近づいていった。

職業柄の習慣が「プラス材料」に

電車の運転手と恋愛をするのはどんな体験だろうか。

蘇さんから見た馬さんは、整理整頓が得意で、細かいところまで気が配れる人で、さらに記憶力が良く、冷静沈着で責任感が強く、非常に安心感があった。このような「プラス材料」は実は馬さんの職業柄の習慣からくるものだった。

馬さんはとても忙しく、月の半分以上を電車の上で過ごし、仕事中は電話にも出ず、微信(WeChat)に返信もしないのが当たり前のことだった。

馬さんは、「(こんな生活だが)維維は僕を責めたことがないどころか、よく理解して信頼してくれた。そんな彼女を見ていて、彼女こそこれからの一生を寄り添える人だと思った」と振り返った。

23年初め、馬さんは蘇さんにプロポーズした。

「彼はこれから永遠に私を一番強く支える存在になると言ってくれた。彼が必ずやり遂げられる人だと確信した」と蘇さん。

馬さんによると、最初、お互いの両親はとてもびっくりして、どうして外国人なのかとか、信頼できるのかなどと言っていた。しかしその後、実際に会ってみて、どちらの親も良い印象を持ち、僕たちの選択を応援すると言ってくれたという。

こうして、卒業したらタイに帰って就職するつもりだった蘇さんは、愛する人のため中国に残る道を選択した。それからまもなく、2人は結婚した。

24年2月には娘の果果ちゃんが生まれ、幸せな家庭に更に多くの喜びが加わった。

それだけでなく、24年9月には、馬さんのサポートと励ましの下、蘇さんが西北大学外国語言文学専攻の修士課程に合格した。また蘇さんの影響を受けて2人の妹も中国に留学し、今は福建省厦門(アモイ)市の華僑大学で学んでいる。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年2月25日

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