「日本人は中国の長い歴史文化に対し敬意を抱いている」明海大学・河村昌子教授

人民網日本語版 2025年05月13日09:22

人民網の取材に応じる明海大学外国語学部中国語学科の河村教授(撮影・許可)。

人民網の取材に応じる明海大学外国語学部中国語学科の河村教授(撮影・許可)。

明海大学外国語学部中国語学科の河村昌子教授は人民網の取材に対して、「巴金の人道主義、博愛精神、愛情の深さなど、その人柄に引き付けられた。その人のために尽くす、自分を含めた全ての人の幸せのために何かをするというところを、とても尊敬しており、啓発された」とした。河村教授は長年、中国の近現代文学を研究しており、卒業論文は中国の作家・巴金の「家」をテーマに選び、現在に至るまで関連の研究を続けている。人民網が伝えた。

河村教授は1995年9月から 1996年7月までの約1年間、北京大学の中国文学科に高級進修生として留学した。中国の教員や同級生と密な時間を過ごした河村教授は、人と人の誠意ある交流は国境を越え、わだかまりを解くことができると感じたという。そして留学期間中、教員や同級生と毎週集まっていた頃を、今でも懐かしく感じるとした。

河村教授は、「中国の方は人が本当に懐が深く、温かいので感動した。中国に行って初めて、人と繋がるというのはこんなに温かく、素晴らしいことなのだと教えてもらった。それから人生観が変わった」といい、日本に帰ってからは、学生にも、出会いは素晴らしいということを伝え、顔を合わせた交流を通して誤解を解き、絆を深めてほしいため、中国訪問団や、中日通訳コンテストといった交流活動に積極的に参加するように勧めているという。

普段、河村教授は、「日中間の架け橋になる」という理念を引継ぎ、学生に対して、「中国語を勉強しながら、いろんな角度から中国を理解することで中国を好きになれる」と教えているという。そして、中日交流座談会を企画し、日本で活躍する中国のアーティストや企業家などをゲストに招き、学生と交流してもらったり、自分の経験や両国の文化、社会、経済などに対する見解を語ってもらったりして、学生が中国について理解する窓口を作っており、それにより学生は中日交流に対する関心を高めることができ、その将来の勉強やキャリアプランに新たな可能性を提供することができているという。

河村教授は、「中国はすでに世界の大国になっており、人工知能や新エネ車などの分野において、世界をリードしている。また、世界の平和と安定のためにとても重要な国になっている。私が留学していた時と比べると、今の中国はすごく発展していて、同じ場所とは思えない。地名は同じでもまるで違う世界のように変わっている。建ち並んでいる高層ビルや、四方八方に通じている交通ネットワーク、勢い良く発展する新興産業などは、どれも中国式現代化の発展の成果」とする。

中国の海爾(ハイアール)や華為(ファーウェイ)といったブランドがすでに、日本人の生活に溶け込み、メイド・イン・チャイナに対する評価が、日本の消費者の間で少しずつ高まっている。河村教授は、「卒業生の多くが、日本の中国系企業に入社した。今後は、さらに多くの学生が日中両国間の架け橋としての役割を果たし、両国の経済、貿易、人文といった分野の交流、協力の役に立ってほしい」とした。

教壇に立ち、人材を育成しながら、河村教授は時間を見つけて、「中国はここにある 貧しき人々のむれ(原題:中国在梁荘)」や「子宮」といった中国の数々の文学作品を日本語に翻訳してきた。河村教授は、「中国の長い歴史の儒教文化の中で、日本という国はあった。日本人は子供の頃から、漢文や漢詩を学んでおり、中国の長い歴史文化に対して、敬意を抱き、尊敬している。日本では、たくさんの中国の文学作品が翻訳され出版されている。私も、翻訳を通して、中国語が読めない方にも、中国の文学の素晴らしさをお届けしたい。日中両国が文化交流の伝統を受け継ぎ続け、共に文明交流、相互参考を促進することを願っている」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年5月13日

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