中国最大の太陽光発電+LNGデュアル燃料自動車運搬船が初航海へ

人民網日本語版 2025年05月16日14:25

5月15日、中国の自動車海上輸送船隊に新たな仲間が加わった。中国最大の太陽光発電+LNGデュアル燃料自動車運搬船が広州市南沙区で正式に「遠海口」号と命名され、初航海に向け引き渡された。同船には中国ブランドの車両が満載されており、その9割以上が新エネルギー自動車で、ギリシャ、トルコ、イタリア、チュニジアなどの国へ向けて航行する。

同船は、中遠海運特殊運輸股份有限公司傘下の広州遠海自動車船運輸有限公司が出資し、中国船舶集団の広船国際が建造した。

「遠海口」号は全長199.9メートル、総トン数は6万8252トン、排水量は3万9069トン、内部には固定層8層、可動層4層からなる計12層の自動車甲板があり、7000台分の標準車両スペースがある。商用車、建設車両、大型バスなどから、MAFI(専門的なRoRo船貨物輸送ツール)まで、さまざまな車種に対応する。

同船は環境に優しく、低炭素、安全性とスマート性を兼ね備えた多機能性能を持ち、先進的なLNG(液化天然ガス)デュアル燃料メインエンジンを採用。中国からヨーロッパ間の1往復航海で、LNG燃料を使用することで二酸化炭素(CO2)排出を2100トン以上削減可能。さらに、世界最大の船上太陽光発電システムを搭載し、年間発電量は41万キロワット時(kWh)に達し、燃料約111トン、CO2排出345.9トンの削減が見込まれる。これは約3万8000本の植林に相当する(1本当たり年間9kgの炭素固定量換算)。

さらに、同船には中遠海運が独自開発したデジタルスマート物流プラットフォームが導入されており、港湾や貨物の全工程データの一体管理を実現。4G/5G移動通信、北斗衛星測位、天通衛星通信、水中音響通信などを革新的に統合し、空・宇宙・地上・海をカバーする統合通信ネットワークを構築することにより、船舶と陸上間のデータの壁を打破し、船舶と貨物のリアルタイム監視とリスク早期警報が可能となった。

また、同船には洋上の生鮮野菜供給システムも構築されている。先端農業技術により、遠洋航行中も新鮮な野菜を自給自足できるよう、スマート野菜栽培用コンテナを搭載し、温度、湿度、光、栄養供給を精密制御し、海の上に「緑の菜園」を築き、長期間航海する船員の生鮮野菜供給問題を効果的に解決。これは、世界の遠洋輸送における後方支援に革新的なモデルを提供している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年5月16日

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