【素敵な四季を探す旅】立秋

人民網日本語版 2025年08月07日09:41

「立」は始まりを意味し、「秋」は穀物が実り、収穫する時期を意味する。8月7日はそんな二十四節気の「立秋」を迎える。「立秋」を迎えると、暑さが涼しさに切り替わり、中医学的にも「陽」が「陰」に転じる頃となる。そして、すくすくと育った万物が成熟に向かう。「立秋」は、農耕社会における重要な節目で、作物が収穫の季節を迎えることを意味している。

この時期、河北省承徳市にある清代の離宮「避暑山荘」を散策すると、深い青緑でとがった葉の茂るアブラマツが、澄み切った青空と競演する景色を楽しむことができる。アブラマツは、その年輪に二十四節気の移り変わりを記録している。木には松ぼっくりがなり、松の香りが風に乗って漂っている。そして、亀甲状に割れた樹皮の内側に、厳しい寒さに耐えるための樹液を持つアブラマツは、逆境に耐える忍耐の象徴でもある。

「立秋」は、秋へと季節が移り変わり始める頃であるものの、ほとんどの地域は依然として1年のうちで最も暑い「三伏」の時期で、気温は高止まりし、どう猛なトラのようであることから、中国では残暑を「秋老虎」と呼ぶ。そのため、暦の上では「立秋」だが、本当の意味で秋が到来するのはまだ少し先のことになる。「秋立つも暑さ残る」と言われる所以だ。

「立秋」の時期の風習の多くは、飲食と関係がある。例えば、肉料理などを食べる「貼秋膘」やスイカなどを食べる「啃秋」がある。「貼秋膘」は主に肉料理を食べることで、厳しい暑さで消耗した体力を取り戻す。またスイカなどを食べる「啃秋」の「啃」には、「酷暑をかじって、爽やかな秋を迎えたい」という人々の思いが込められている。

立秋の到来で、爽やかで静けさを楽しむことのできる秋も、すぐそこだ。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年8月7日

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