中国「逐日プロジェクト」研究で重要な進展 宇宙に「無線充電ステーション」の基盤を確立

人民網日本語版 2026年05月22日13:48

中国工程院の段宝岩院士率いる「逐日プロジェクト」研究チームが重要な進展を遂げ、宇宙太陽光発電所とマイクロ波無線電力伝送の複数の重要コア技術を確立したことがこのほど、西安電子科技大学への取材で分かった。チームは独自に、多数の移動目標に対するマイクロ波無線電力伝送用の地上検証システムを開発し、100メートル級の距離で1キロワット(kW)の出力を達成。この成果により、中国の宇宙太陽光発電所およびマイクロ波無線電力伝送技術の実用化が前進した。新華社が伝えた。

段氏は、「宇宙太陽光発電所の建設は、宇宙の所定軌道上に設置されるマイクロ波充電器のようなものであり、従来の衛星が自身の太陽電池パネルのみに依存する構造を打破できる。先進的なマイクロ波無線電力伝送技術を活用し、広大な宇宙空間で衛星向けの『無線充電ステーション』を構築することになる」と述べた。

近年、宇宙太陽光発電所は理論研究から実用化への重要な段階にある。2014年、段氏のチームは「オメガ革新的設計案」を打ち出し、研究開発を開始。22年6月には、世界初のフルリンク・フルシステムの宇宙太陽光発電所地上検証システムを構築した。

直近では、この研究は一連の新たなブレイクスルーを達成した。チームは学際的な融合・多システムの連携・システムの信頼性という観点から、分散型オメガ宇宙太陽光発電所の革新的設計案を打ち出した。長距離・高出力・高効率の一対多移動目標マイクロ波無線電力伝送技術を確立し、1つの送信システムで複数の移動目標に電力を供給する精密制御を実現した。将来的には、複数の宇宙器や地上移動機器への同時電力供給が期待される。

テストデータによると、100メートル級の距離で、直流–直流伝送効率20.8%、出力1180W、ビーム収集効率88.0%を達成。ドローン向けマイクロ波無線電力伝送システムは、時速30km・距離30mの条件下で143Wの安定受電を実現した。

宇宙発電においては、太陽光の集光と光電変換効率が大幅に向上。送受信アンテナの統合化・小型化・軽量化でも重要な進展を遂げたことで、機器の宇宙展開に向けた基盤が確立された。

先日行われた陝西省技術移転センターの成果評価会議では、専門家グループが、「同プロジェクトの成果は国際的にも先進的レベルに達しており、中国の今後の宇宙太陽光発電所およびマイクロ波無線電力伝送に関する理論・技術発展に重要な指導的・支援的役割を果たしており、その産業化および実用化の見通しも明るい」との認識で一致した。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年5月22日

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