青蔵高原の岩石氷河の「全容」が明らかに――世界で確認済みの総数を上回る

(画像提供:中国科学院青蔵高原研究所)
青蔵高原の「固体のダム」といえば、多くの人は氷河を思い浮かべるだろう。しかし、「岩石氷河」と呼ばれる目立ちにくい周氷河地形については、その数と貯水上の意義が大幅に過小評価されてきた。中国科学院青蔵高原研究所の研究者が作成した青蔵高原初の岩石氷河データセットがこのほど正式に公開されたことが21日、同研究所への取材で分かった。それによると、青蔵高原は計13万カ所を超える岩石氷河が確認され、総面積は約1万6500平方キロメートルに達した。その数は、これまで世界で確認されていた岩石氷河の総数を上回る。関連研究成果は学術誌「科学通報」に掲載された。科技日報が伝えた。
岩石氷河は本当の意味での氷河ではなく、氷を含む岩石の破片と土壌からなる「混合物」だ。高山の寒冷環境下では、氷河のように極めてゆっくりと斜面を下っていく。岩石氷河は山岳永久凍土が存在することを示す重要な「地表の指標」であると同時に、潜在的な固体水資源でもある。表面が厚い岩石の破片に覆われているため、岩石氷河は衛星画像では非常に見つけにくく、人間による識別も極めて困難だ。そのため長期にわたって「見えない、数えられない」状態が続いていた。
今回、研究者は高解像度光学画像、レーダー衛星データ、人工知能(AI)ディープラーニング技術を活用し、青蔵高原に分布する岩石氷河の詳細な「全容調査」を初めて実施するとともに、レーダー干渉計測技術を組み合わせ、岩石氷河の移動速度も取得した。データによると、99.3%の岩石氷河について地表変形速度の観測結果が得られた。これは、すべての岩石氷河の「脈拍」を測定したことに相当する。
「全容」が明らかになったことで、科学者は「水資源の収支」も算出した。これらの岩石氷河内部に蓄えられている氷を水量に換算すると、約92~186立方キロメートルになる。論文の連絡著者である中国科学院青蔵高原研究所の馮敏研究員は、「これは数十カ所の大型ダムの貯水量に相当し、『アジアの給水塔』において長期にわたり過小評価されてきた固体水資源だ。周辺の氷河が急速に縮小し、一部の氷河のない地域では、こうした岩石氷河からゆっくりと放出される水資源が、河川への長期的な水の供給や生態系の調整に果たす役割は、私たちが想像する以上に大きい可能性がある」と説明。(編集YF)
「人民網日本語版」2026年8月25日
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