習近平国家主席は21日、モンゴルのエルベグドルジ大統領とウランバートルで会談した。両氏は中蒙関係の発展を総括し、各分野の交流・協力を計画し、一連の重要な共通認識にいたった。また、両国関係を包括的・戦略的パートナーシップに格上げし、善隣友好、共同で助け合い、相互信頼の強化、協力の深化を堅持し、両国関係の発展に新たな歴史の1ページを共に記すことを決定した。

　習主席は「国交樹立から65年、両国関係の主流は友好と協力だ。双方は共に相手国が自国の国情に基づき選択した政治制度と発展路線を真摯に尊重し、互いの核心的利益と重大な懸念に真摯に配慮し、相手国の発展を自らの発展の重要なチャンスと真摯に見なし、絶えず新たな発展があるよう両国関係を推進している。この局面は得難いものであり、大切にすべきだ。モンゴル側と善隣・相互信頼を強化し、互恵協力を深化し、共同発展・繁栄を実現したい。両国関係を包括的・戦略的パートナーシップに格上げする今回の決定は重要な戦略的意義を持ち、両国および両国民の根本的利益に合致する」と表明。双方が重点的に達成すべき取り組みとして、以下を挙げた。

　（１）政治的安全協力の強化。関心を共有する重大な問題について、引き続き様々な形式でエルベグドルジ大統領と意思疎通を継続したい。今年11月に中国で開かれるアジア太平洋経済協力会議（APEC）首脳会議の議長国・パートナー対話にエルベグドルジ大統領を招待したい。台湾、チベット問題においてモンゴル側が正しい立場を堅持していることを称賛する。両国の立法機関、外交当局、政党、国防当局間の対話・交流制度の構築と活用を支持する。

　（２）実務協力の全面的拡大。両国の実務協力を真に達成するには、各々の強みを把握し、双方の強みを結びつける必要がある。中国側はモンゴルとの協力において互恵・ウィンウィンの原則を堅持している。中国側にはモンゴルとの緊密な協力を通じて、モンゴル自らの強みを経済的強み、発展における強みに転化することを助ける意向と能力がある。双方は引き続き両国政府間の協力制度を活用し、中国・モンゴル経済貿易協力中期発展綱要をしっかりと実行に移し、2020年までに相互貿易額を100億ドルにするとの目標を実現する必要がある。双方は鉱物資源開発、インフラ整備、金融協力の『三位一体、統合推進』原則を堅持し、コネクティビティと大型プロジェクト協力を優先的方向とし、鉱産物高度加工、新エネルギー、電力、農畜産業、国境通関地分野の協力を強化し、二国間通貨スワップの規模を拡大し、二国間自由貿易協定交渉・締結の準備作業を早急に始動し、国境を跨ぐ経済協力区の構築を積極的に推進する必要がある。中国側は引き続き国境通過輸送、海港利用などの面でモンゴル側に便宜を図り、モンゴル側と共に、アジア欧州の国境を跨ぐ輸送を促進し、シルクロード経済ベルトを共に構築する。アジアインフラ投資銀行などの枠組みでモンゴル側と協力したい。中国企業のモンゴルでの投資、事業展開にモンゴル側が良好な環境を整えることを希望する。

　（３）人的・文化交流の活発化。双方は中国・モンゴル友好交流年記念活動を共同で成功させ、青年、メディア、言語、無形文化遺産の保護、国境を跨ぐ伝染病対策、砂漠化対策などの分野で交流・協力を強化する必要がある。中国側はモンゴル側の人的資源開発を支援したい。モンゴル側が中国に文化センターを設立することを歓迎する。

　（４）国際的・多国間枠組みでの協力の推進。双方は国連、アジア欧州会議（ASEM）、上海協力機構、アジア信頼醸成措置会議（CICA）などの国際組織や国際的枠組みで引き続き調整や協力を強化する必要がある。中国側はモンゴル側が国際・地域問題で積極的役割を発揮することを支持する。モンゴルのAPEC加盟を支持する。北東アジア安全保障ウランバートル対話イニシアティブを支持する。中国・モンゴル・ロシア3カ国首脳会談開催の提案を支持する。

　エルベグドルジ大統領は「モンゴル側は一貫して台湾、チベットなどの問題で中国側の立場を支持しており、中国分裂を図るいかなる勢力および活動も支持していない。中国側と二国間貿易を拡大し、農畜産業、石炭、電力分野の協力を強化したい。国境通過運輸についての中国側の配慮と便宜に感謝する。シルクロード経済ベルトの構築という中国側の提案に積極的に参加し、アジア欧州の国境を跨ぐ鉄道輸送を共に推進したい。モンゴル側は両国の人的・文化交流、相互理解・友情の深化を支持する。国際・地域問題で中国側と緊密な意思疎通や調整を保ち、地域の平和・安定を共に維持したい」と表明した。

　会談後、両氏は両国の包括的・戦略的パートナーシップの構築および発展に関する共同宣言を発表したほか、外交、経済・貿易、国境通過輸送、鉱産物、インフラ整備、金融、文化、住宅建設など各分野の協力文書の調印に立ち会った。（編集NA）

　「人民網日本語版」2014年8月22日