李克強総理は3月31日に人民大会堂で英紙フィナンシャル・タイムズのバーバー編集長の単独インタビューに応じ「今年は中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年であり、世界各国で記念行事が行われる重要な時期だ。これは中日関係にとって検証でありチャンスでもある」と表明した。新華網が伝えた。
バーバー編集長:私が訪日時に日中関係について得た比較的深い印象を、この機会に総理と分かち合いたい。日本の最上層部から得た情報だ。日本の指導者にインタビューする機会が数度あったが、彼らから伝えられた情報は「日中関係はすでにいくらか改善された」というもので、昨年11月の習近平国家主席と安倍首相との会談について特に言及があった。「日中関係はすでにいくらか改善された」との彼らの考えに総理は同意するか。これは持続的なものか、それとも一時的なものか。第2次大戦終結70周年記念の際、および日本の首相談話発表の際、両国関係に再び問題は生じるか。
李総理:中日関係はまだ比較的困難な時期にある。双方は改善を望んでいるが、改善には基礎が必要だ。この基礎の根源となるのはやはり第2次大戦の歴史をどう正しく認識し、歴史の教訓をどう汲み取り、戦争を繰り返させないかだ。バーバー氏は日本滞在中「戦争が終わってもう70年だ、現在とは何の関係もない、昔の人のことだ。なぜ中国はこだわってばかりいるのか?」との声を聞いたかも知れない。これは中国側がこだわろうとしているのではなく、歴史は忘れてはならないのだ。70年の間、大きな世界戦争は起きなかった。あの愚かな戦争の教訓を銘記したことが重要なのだと考える。政治学の一般的な原則では、国の指導者は先人の創造した歴史の成果を継承する必要があると同時に、先人の犯した罪の歴史的責任も負うのが当然だ。そうしてこそ、その民族に対して真の一体感と責任感を持つことになる。
今年は中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年であり、世界各国で記念行事が行われる重要な時期だ。今年の「両会」(全国人民代表大会と全国政協会議)記者会見で私は「これは中日関係にとって検証でありチャンスでもある。われわれは歴史を鑑とすることができれば未来に向かうことができ、両国関係改善の良いチャンスを得る」と語った。明確にしておきたいのだが、私の言った「愚かな戦争」というのは軍国主義の発動した愚かな侵略戦争を指すのであり、反ファシズムの戦士に対しては、われわれはこの上ない敬意を抱いている。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年4月17日