地震が発生したネパールから帰国した中国人観光客30人以上が未明北京時間27日2時28分に北京首都国際空港T3ターミナルから姿を見せた。出迎えた王紅さんは待ちきれずに夫の劉源深さんを抱きしめ、「やっと帰ってきた」と嬉しさをにじませた。海涛旅行社のツアー客だった彼らはネパールの地震被災地から早いうちに帰国した観光客の一部だ。人民網が伝えた。
▼「世界は広いが、やはり祖国がよい」
劉さんは妻を抱きしめながら「世界は広いが、やはり祖国がよい。ネパールで祖国の強さを強く感じた」と語る。「空港で中国国際航空の関係者がプレートを掲げてこちらに来た時に、心強く感じた。彼らは苦労をものともせずに最初の日の未明3時に救援担当者や捜索犬、物資を携えてネパールを訪れ、すぐに私たちを帰国させてくれた」。
同じように感じた何さん(女性)も、「空港は人で一杯だったが、迎えに来たのは私たちの国の飛行機ばかりだった。多くの外国人は誰も救出に来るものはおらず、私たちが帰国するのを見てとても羨ましがっていた。あの時は得意な気持ちが湧いてきた。私たちには組織がついていた」と語る。
ツアー客の兪維安さんも、「あの時は本当に、祖国が我が家だと深く感じた。祖国が背後にあれば一般市民は安心でき、どんな事が起こっても恐れる必要はない。本当に心から祖国を讃えている」と語る。
▼地震の瞬間 夫を探す人やメガネを探す人
地震の時、ツアー客30人以上はレストランで食事中だった。「3―4皿の料理が来て、あまり食べないうちに地震が起こった。左右に揺れたかと思うと上下に揺れ、まるで飛行機が着陸時に「ドン、ドン」と揺れるような感じで、数秒の間めまいがした」。兪さんによると「皆慌てて、メガネを探す人や夫を探す人、テーブルの下に隠れる人など様々だった。テーブルの近くにいない人は頭にイスを掲げて守っていた」。
「当時、私は別の部屋で食事をしていたが、地震の瞬間に皆のところへ駆けつけてテーブルの下に隠れるように告げた。皆が隠れた後、自分が隠れる場所がないことに気づいたが、幸いレストランは倒壊しなかった」。ツアーガイドの紀萌さんは笑顔で夫の劉立華さんに語った。
劉さんと妻の紀さんは去年結婚したばかりだ。劉さんは、ネパールで地震が発生したと知った時は非常に緊張した。ニュースの映像で流れた被害にあったダルバール広場は妻が同日、ツアーを率いて訪れる予定だったためだ。「地震から半時間過ぎても連絡が取れなかったため、何かあったのではないかと思った。妻が電話をかけてきてやっと、不安が消えた」。
ツアーに参加した張明輝さんは「私と夫はわりと大ざっぱで、現地は地震が多いから少しゆれても大丈夫だと思って、隠れもせずに携帯電話で当時の瞬間を撮影していた」と語る。
張さんは携帯電話で撮影した写真を見せてくれた。彼女は夫とダルバール広場で写真を撮影していたが、20分後にそこが廃墟になり、数百人が生き埋めになるとは考えもしなかったという。
未明3時23分に張さんと夫は帰国した。張さんは微信(Wechat)のモーメンツに投稿した。「やっと自宅に帰ってきた。自宅のベッドに横になったら、もう疲れきってしまった。皆、おやすみなさい。大好きです。私の命は皆のような家族や親戚、友人がいてくれるおかげで素晴らしいものになっている。それに夫にも感謝します。今回は本当に『困難の中で一緒に乗り越える』愛情を体験しました。これからもずっと一緒です」。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年4月27日