東京都港区の根津美術館は、7月30日から9月6日にかけて、コレクション展「絵の音を聴く」を開催する。展示品は中日両国の山水や花鳥風月を描いた作品が中心で、南宋四大家の夏珪による「風雨山水図」、江戸時代の「夏秋渓流図」など、25点の収蔵品が展示される。新華網が伝えた。
興味深いことに、美術館は古代中国の文人の「臥遊(がゆう)」を真似るよう薦めている。「臥遊」とは、部屋で横になりながら絵画を観賞し、絵画の中の鳥を愛で、その声を想像したり、山水画の滝の流れる音を思い浮かべて、作品の新たな魅力を模索することだ。
江戸時代の有名画家、鈴木其一の代表作の一つである「夏秋渓流図」は、色彩のコントラストと明瞭な線により、「檜の林を駆け抜ける谷川のせせらぎ、幹にとまった蝉の声」を表現している。
室町時代の画家、雪村周継作の「龍虎図屏風」は、「木が倒れ水がはね、雲と雨に覆われる」という画面により、龍と虎の鳴き声を表現しており、躍動感がある。
日本の理性的で細やかな作風と異なり、中国人画家の夏珪による「風雨山水図」は、広い空白を残し、墨の濃淡を使い分けるといった、山水画の魅力を余すところなく発揮している。強風と豪雨に見舞われるあずまやの中で、二人が何を話しているのか興味深い。この絵は日本で重要文化財に指定されている。
「絵の音を聴く」の他に、根津美術館には絵画、彫刻、陶磁器、青銅器、漆器、染め物など7400点が収蔵されている。そのうち7点は国宝、87点は重要文化財。中国の文化財も多く、種類が豊富だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年7月31日