日本の現代アート市場の話題に触れると、多くの人は真っ先に村上隆、草間弥生、奈良美智といった世界的な名声を誇り、ファッション界とも密接な関係を結んでいる現代アーティストを思い浮かべる。
しかし、あるアナリストは、これらの先輩アーティストと日本の次世代アーティストは国際化戦略が異なると指摘する。これは、日本の若いアーティストたちの作品が早くからアジア諸国で人気を博しているためだ。日本の若いアーティストの市場は現在香港や日本国内に集中しており、香港アートセンターの地位が日増しに高まっていることから、香港市場での挑戦を選択する日本人アーティストの数が増加しつつある。こういった背景の下、53美術館は広州の観客やアートコレクターに日本の現代アートの生態をより深く理解させるため、香港のアジアアートセンターから非常に近い広州で、「日本現代アート展2015/胎動」を開催した。
■国際アート交流の新たなモデルを育みつつある広州
多次元体験やマルチメディアのスタイルを用いた日本最先端の現代アートが展示された「日本現代アート展2015/胎動」は広州の53美術館の企画展示プロジェクト・シリーズの第3弾目にあたり、今後も引き続き推進される予定だ。李瓊波館長は、「2012年以降、53美術館は3年連続で、日本現代アート界で活躍するアーティスト延べ40人を招き、53美術館に滞在させて創作活動を行わせると同時に、広州の高校生やアーティスト、評論家、観客とインタラクティブなイベントを行っている」と紹介した。李館長はさらに、「数年間にわたる作品の展示交流を通して、日本現代アートの影響力は広州ですでに芽生え始めている。『胎動』という展覧会のタイトルと同様におぼろげだが力強いエネルギーが内に含まれており、国際アート交流の新しいモデルが広州で徐々に育まれつつある」と語った。