世界初の人体に用いることのできる臨床PET(陽電子放出断層撮影)機器が、武漢光電国家実験室で開発に成功した。その空間解像度などの指標は、世界の同種類の製品の2倍に改善された。これは華中科技大学初の国家重大科学機器・設備開発プロジェクト「超高解像度PETの開発・応用」による成果で、武漢光電国家実験室研究員、華中科技大学生命学院教授の謝慶国氏のチームによって開発された。独自の知的財産権・技術を持つこの人体臨床「全デジタルPET」は、がん早期発見のPET検査の普及を促進する。人民網が伝えた。
「プレシジョン(精密な)医療」を実現するためには、精密な検査と測定が必要になる。これにはメディカルイメージングと遺伝子検査が必要だ。PETは現在の先進的な医学分子イメージング方法の一つで、腫瘍、神経系統、心臓病の早期発見などに強い。謝氏によると、初の人体臨床「全デジタルPET」は、300以上の全デジタルPET検査モジュールによって構成されている。各モジュールは先進的なシンチレータと新型光電子増倍装置を内蔵。また全デジタルサンプル収集、信号処理アルゴリズムにより、空間解像度は2.2ミリに達し、現在輸入している設備の最高水準の2倍弱となっている。
また初の人体臨床全デジタルPETは、患者の全身を検査するのに5分しかかからず、従来の設備の約半分のみだ。スムーズで正確な全デジタルPET検査を実現し、かつ検査時の放射線量はX線、CTスキャン、MRIを大幅に下回る。全デジタルPETが臨床使用されれば、病院のサービス能力が大幅に強化され、PET検査の費用が下がる。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月28日