2013年5月7日、福州市にある中国十大歴史文化名街三坊七巷福船文化会館で、福建省福鼎市からやって来た鄭さんと65歳になるベテラン船大工の黄さんが、最後の一隻の加工を行った。福建省の福船、広船、沙船、鳥船は中国古代四大船型と呼ばれている。工業化が加速するにつれて、現在建造されている船舶の大部分には、船殻(鋼材を用いた外殻)が用いられており、木材を使った船はほとんど市場から姿を消した。そのうえ、造船は極めて時間がかかる作業で、仕事はかなりキツイため、若い人から敬遠される傾向にあり、木船の造船は、生存・伝承の両面で存亡の危機に瀕している。2010年、福船の造船技術は、ユネスコに「急ぎ保護を必要とする無形文化遺産リスト」に組み入れられた。