第8回中米戦略・経済対話と第7回中米人的・文化的交流ハイレベル協議が6日、北京の釣魚台迎賓館で開幕した。中国側は習近平国家主席の特別代表として劉延東副総理、汪洋副総理、楊潔チ国務委員、米側はオバマ大統領の特別代表としてケリー国務長官、ルー財務長官が開幕式に出席し、挨拶を述べた。開幕式には他に中米双方から各当局の代表約500人が参加した。
習近平国家主席は「中米の新型の大国関係構築のためにたゆまず努力する」と題する重要談話を発表。
習主席は「現代世界は多極化、経済のグローバル化、社会の情報化が深く進展し、各国の利益が緊密に結びついている。ゼロサムゲーム、衝突と対立はとうに時代にそぐわなくなっており、共に困難を乗り越え、協力・ウィンウィンを図ることが時代の要請だ。中米は相互信頼を強化する必要がある。浮雲に視界を遮られないようにし、誤った戦略判断を回避するには、日常的な意思疎通を通じて戦略面の相互信頼を積み重ねる必要がある。われわれは溝や敏感な問題を適切に管理・コントロールする必要がある。中米間にいくつかの溝が存在するのは正常なことであり、双方は解決または実務的、建設的な姿勢で管理・コントロールに努力する必要がある。相互尊重、平等の原則に従い、小異を残して大同につき、一致点を集めて相違点を解消しさえすれば、中米両国は大きな妨げを回避できる。われわれはアジア太平洋の問題について意思疎通と協力を強化する必要がある。広大な太平洋は各国の角逐の場ではなく、みなを受け入れる協力の大きな場となるべきだ。中国は『親・誠・恵・容』の周辺外交理念を遂行し、アジア太平洋の平和・安定・発展に終始尽力している。中米はアジア太平洋地域で広範な利益を共有する。日常的な対話を継続し、さらに多く協力を繰り広げ、様々な試練に対処し、両国共同の非排他的な『コミュニティ』の構築に努力し、地域の繁栄と安定の建設者、守護者となるべきだ」と強調した。
●キーワード
【零和博弈】ゼロサムゲーム
【互信】相互信頼
【求同存异、聚同化异】小異を残して大同につき、一致点を集めて相違点を解消する
中米関係の得た積極的な進展を語るのは、問題をうやむやにするためではない。ASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議やアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)などの場で、中米両国代表は南中国海問題をめぐり舌鋒鋭く論争し、対立した。一方、中米戦略・経済対話及びその枠組内の協議では、両国代表は再び穏やかに各分野の協力について意見交換し、共通認識にいたった。実際のところ、さながら隔世の感があるこのような場景は、まさに中米関係の複雑性を反映している。数10年の間、両国関係は曲折や起伏を経ながら前進したのである。同様にここ数年間、中米は対話を継続し、協力を拡大しているが、問題やトラブルも依然多く、特に戦略レベルの競争要素が増大している。
●キーワード
【淡化问题】問題をうやむやにする
【东盟地区论坛外长会】ASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議
【香格里拉对话】アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)
【唇枪舌剑】舌鋒鋭く論争する
【框架】枠組