新駐中国大使となる横井裕氏(61)が15日、北京に到着し、前任の木寺昌人氏(63)の職を正式に引き継ぎ、16日午後、着任後初の記者会見を北京で開いた。
横井氏は東京大学を卒業後、1979年に日本の外務省に入省。「チャイナスクール」と呼ばれる中国語研修組出身で、前後して外務省中国課長、上海総領事、駐中国公使等、計4回、延べ10年の中国勤務経験をもつ「知中派」として知られる外交官だ。2010年に退任した宮本雄二・元駐中国大使に次ぐ「知中派」の起用となった。
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【驻上海总领事】上海総領事
【知华派】知中派
【卸任】退任
チャイナスクールからの数年ぶりの中国大使起用には、来年の中日国交正常化45周年を前に、日中関係改善に尽力する姿勢を中国側に示す狙いがある。中国社会科学院日本研究所の楊伯江副所長はこの見方について「今回日本政府がチャイナスクール出身者を起用するかもしれないことは、中国の『脈動』を正確に把握し、中国との意思疎通には効率と効果が必要であり、中国と中日関係を真に知る『中国通』の大使を任命することがやはり必要であることを日本政府が認識したからだと見られる。歴史的経緯からも現実的状況からも、中日関係には独特性と特殊な複雑性がある。だが日本政府は以前対中外交をその他の国との外交と『同質化』して扱おうとし、良い結果を得られなかった。中国専門家を大使に起用する伝統路線に改めて戻ったようだ。丹羽大使以前の阿南惟茂大使、宮本雄二大使らはいずれもチャイナスクール出身だった」と指摘した。
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【中国学派】チャイナスクール
【中日邦交正常化】中日国交正常化
【同质化】同質化