中国の改革開放40年とほぼ歩みを共にし、中国における開発や建設支援、人材育成事業に協力してきた日本の国際協力機構(JICA)。JICAの研修生派遣事業は、中日両国が1979年から現在まで長期的に展開している協力プロジェクトで、中国各地から募った研修生を日本に派遣してきた。今回人民網では、JICAの医療・社会保障担当である内山智尋さんと、中日友好病院副院長でJICA医療分野帰国研修生同窓会の彭明強副理事長に、これまで長年にわたり取り組んできた中日間の医療分野における協力についてインタビューした。
Q.これまでJICAが中国で取り組んできた医療分野での協力とは?
内山さん:医療分野においては、1981年の中日友好病院建設から始まり、現在も様々な技術協力を続けている。特に中日友好病院には、日本で長期研修を受けて帰国したスタッフが大勢いて、こうした人材が核となり、現在も日本各地の大学や大学院、研究員とのネットワークを構築している。
彭副理事長: この30数年でJICAを通じて延べ2000人以上の人材を交流や学習のため日本へ派遣してきた。2006年からはJICA同窓会を立ち上げ、これまでに延べ800人が参加している。それぞれの長所を生かし、定期や不定期で同窓会メンバーを集めては、農村部の医療機関と交流や支援を行っており、今回の于都県第二人民病院訪問もこうした活動の一環となっている。
Q. 于都県第二人民病院訪問のような医療支援活動が果たす役割とは?
内山さん:一つは現地の人がレベルの高い診療を受け、優れた治療の機会を得られること。次に、現地の医師がOJTを通じて、都市部の大病院の医師から直接技術を学べること。さらには都市部の医師自身が農村部の状況をより理解し、その格差をしっかり感じられるだけでなく、現地の病院から示される感謝が彼らのモチベーションアップにつながることが挙げられる。
Q.今後中日友好のために取り組んでいきたいことは?
内山さん:日本からの協力も40年近くになるが、中国は経済的にも非常に発展し、多くの課題が解決されてきた。グローバル化が進む中で、新たに様々な問題が生じている。例えば、保健分野においては、これまで以上に感染症の危険が高まっており、深刻化する気候変動の関係で、災害時の医療対応も求められている。さらには、高齢化問題も深刻化している。こうした日中に共通する新しい課題が生じていることで、これからも協力していける活動はある。今後は中日間の協力のみにとどまらず、両国が手を取り合って第三国に協力するなど、より大きな枠組みの中で様々な支援が可能になっていくと思う。
彭副理事長:これまで長年にわたり、人材育成や学科の設立に関して常に交流を展開してきた。中日友好病院は今後も中日両国の病院間の交流を強化し、より高いレベルの交流の場を立ち上げることで、中日間の医療交流という分野をより高めていきたいと思う。(文・洪東実)
「人民網日本語版」2018年10月17日
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