北京市で16日、数多くの日本語学習者をサポートし続けてきた日本語テキスト「中日交流標準日本語」の出版30周年を記念する座談会セミナーが開かれた。人民網が伝えた。
人民教育出版社の黄強社長は挨拶で、「今年は中日平和友好条約締結40周年の年にあたるだけでなく、中国の改革開放40周年の年でもある。中国が外国に対する扉を開いて間もなかった1980年代初期、光村図書出版株式会社は初めて中国側と業務協力のチャンスを模索した日本の出版社だった。その後30年間にわたり発展を続けた『標準日本語』は数多くの読者を惹きつけ、中日両国の文化交流促進において積極的な役割を果たしてきた」とした。
また日本の光村図書出版株式会社の小泉茂社長も、「今年は日中平和友好条約締結40周年の年にあたり、『標準日本語』もその出版から30周年を迎えた。『標準日本語』の編纂には、日中友好交流への期待と願望が込められており、先人たちが30年以上かけて深く交流を続けてきた歴史と成果がこのテキストには集約されていると言っても過言ではない」とした。
「標準日本語」が30年もの長きにわたり、常にベストセラーとなっているそのコアとなる競争力はどこにあるのだろうか?その点について、黄社長は、「中日交流標準日本語」がゼロから日本語を独学する人々をその対象としていることにあるとしている。同テキストのコアはその学習内容にあり、内容はシンプルで学びやすくまとめられており、教材として利用するのに適しているだけでなく、独学する学習者にとっても学びやすいテキストとなっている。その上、同テキストの内容は時代の流れと共に発展しており、その学習スタイルもノートPCやスマホの普及にともない進歩している。90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)を中心とする読者の学習スタイルに合わせ、人民教育出版社は2013年には「新版 標準日本語」の電子ブックアプリをリリースし始め、現在までにすでに延べ417万人がダウンロードしている。
「標準日本語」出版30周年を記念して、人民教育出版社は「私と標準日本語」と題したエッセーコンテストや日本語書道大会といった一連のイベントを展開している。コンテストの特等賞受賞者の一人で読者代表でもあり、また「標準日本語」の教師代表でもある陳強さんは同日、「私と標準日本語」のエピソードを披露した。陳さんの大学時代の専攻は法学部だったが、日本語に高い関心を抱いていたため、第二外国語に選択。その後、陳さんは日本語専攻の修士課程に進んだばかりか、さらには修士卒業後、日本語教師の職に就き、優秀な学生を数多く育成してきた。また教師として指導を行うだけでなく、直木賞を受賞した朝井リョウのデビュー作「桐島、部活やめるってよ」など優れた文学作品の翻訳に数多く関わっている。
小泉社長は、「標準日本語」で日本語を学んだ陳さんが、日本語を職業としていることに非常に感銘を受け、今後は日本にもこのような優れた中国語の教材が現れ、中国語を学び、それを職業スキルとするような人々が現れてほしいとその思いを語った。
1980年代に中日交流の促進をめざし、人民教育出版社と光村図書出版株式会社が共同編集した「中日交流標準日本語」は、1988年の出版当初からの発行部数が延べ1500万部に達しており、その読者数は1千万人を突破している。(編集TG)
「人民網日本語版」2018年10月17日
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