馮一束氏と作品「含章渡海東」(撮影·陶隠)。
鑑真は西暦743年に日本の僧の招きを受け、6度に渡る苦しい航海を経てついに日本にたどり着いた。その後、鑑真は日本で10年間暮らし、唐代の文化を伝えることに尽力し、中日友好交流の歴史における最も代表的な使者になった。鑑真の精神は今日も、中日民間交流の重要な絆になっている。人民網が伝えた。
中日には文化の伝承と美しさへの追求において共通点がある。中日平和友好条約締結40周年に際し、外交部の元外交官で国際文化交流事業に意欲的な馮一束氏は、筆を手に鑑真のたどった道のりを振り返り、現代から過去に思いを馳せ、中日両国の人々が共に使命を担い、美しい未来を築くことに期待を寄せている。
記者に巻物の一部を紹介する馮一束氏(撮影·陶隠)。
この「含章渡海東」と題されたこの水墨画の巻物は、鑑真が6度に渡り、日本を目指して旅した物語を原型としている。長さ10メートル、幅50センチで、本紙の長さは7メートルに達する。巻物は時間をその主軸とし、そこに鑑真の幼き日から日本へ渡るまでの全過程が描かれている。
同作品はその表現スタイルにおいて、伝統的な同一の時間における空間の移ろいという芸術スタイルとは異なり、地理や山河を参考に、ストーリーを描き入れ、歴史の流れに従って展開しており、論理性に富んでいる。その画風は全体的に写実性を重視しており、複雑な「洗礼」の旅の過程における人物を描きだす際には、人物と精神及び自然風景の融合を重視している。
巻物の一部(撮影·陶隠)。
馮氏はこの作品を創作するため、大量の歴史資料を調べたという。これには国内外の伝記や映像作品、オンライン旅行記などが含まれ、人物の服装から建物、習俗など各方面で歴史事実の再現を試みている。絵には書道家の黄立軍氏の楷書による説明も添えられており、その説明文は日本の真人元開による「唐大和上東征伝」から引用している。字と絵の融合は中日両国の鑑真の日本渡航に対する共通の文化的認識や精神の伝承と美しさへの追求を反映しているだけでなく、さらに作品そのものに尽きることない味わいを与えている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月17日
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