中国の6歳から17歳までの青少年・児童のうち、「睡眠時間が8時間に満たない」人が6割を上回り、学業によるプレッシャーが、子供たちの睡眠状況に悪影響を及ぼす一番の要因となっている。「世界睡眠デー(3月21日)」の到来をひかえ、中国睡眠研究会は17日、「2019年中国青少年・児童睡眠指数白書」(以下、「白書」)を発表し、上述の統計データを取り上げた。中国新聞社が報じた。
今回発表された白書は、約7万人を対象とするオンライン調査の結果を取りまとめたもので、7万人の中には、青少年・児童6万5648人、保護者1916人が含まれる。研究チームが、「睡眠時間」、「睡眠障害」、「目覚めた後の状態」という3つの角度から、中国の青少年・児童の睡眠状況を評価したところ、平均値はわずか67.14ポイントにとどまった。
調査によると、13歳から17歳までの青少年のうち、「睡眠時間が8時間未満」の割合は81.2%に上り、6歳から12歳までの児童については、この割合は32.2%だった。
子供の睡眠時間を奪う原因は一体何なのか?白書の分析によると、最も大きな原因は「学業によるプレッシャー」で、これに続いたのは、順に、「デジタル家電」、「騒音・声・光などの睡眠環境」、「保護者の睡眠習慣」だった。
調査によると、月曜から木曜までの午後11時の時点でもいまだ8.64%の学生が「宿題をしている」状態だった。睡眠状況が良好とはいえない青少年・児童のうち41.9%は、「寝る前にタブレットPCやスマホなどのデジタル家電を使用している」と答えていた。一方、睡眠状況が良好な子供の場合、この割合はわずか7.4%だった。
このほか、睡眠の質が良くない子供のうち36.5%は肥満で、40.5%は神経衰弱あるいはうつ傾向があった。一方、睡眠状況が良好な子供についてみると、肥満は3.7%、神経衰弱あるいはうつ傾向の子は1.4%だけだった。学業成績については、睡眠状況が良くない子供のうち41.9%は、クラスでの成績順位が下から25%の順位エリアに属していた。
専門家は、「睡眠不足は、青少年・児童の記憶力や情緒などに悪影響を及ぼし得る。社会は、子供の『睡眠不足』問題に注目し、協力して彼らの健全な成長をサポートしていく必要がある」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年3月18日