エチオピアで今月10日、乗客乗員157人を乗せたエチオピア航空302便(B737MAX 8)の旅客機が離陸直後に墜落し、全員が死亡した。昨年10月29日にも、インドネシアのジャカルタアジアを拠点とするライオン航空610便(B737MAX 8)が墜落し、乗客乗員189人全員が死亡したばかりだった。わずか5ヶ月の間に、2回も墜落事故が起きた米ボーイング737 Max 8機の安全性への懸念が広がっている。
エチオピア航空302便は10日午前、エチオピアのボレ国際空港からケニアのジョモ・ケニヤッタ国際空港に向かっていたものの、離陸して6分後にレーダーから消えた。エチオピア航空は、搭乗していた乗客149人と乗員8人全員が死亡したと発表した。乗客には中国籍の乗客8人も含まれていた。
737 Max 8機は5ヶ月の間に2度も墜落事故を起こしている。昨年10月29日午前、インドネシア・ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港からデパティ・アミール空港に向かっていたライオン・エア610便が離陸して12分後に沖合に墜落。乗っていた乗客・乗員合わせて189人全員が死亡した。エチオピア航空は、「事故原因は今のところ不明」としているものの、わずか5ヶ月の間に2度も墜落事故を起こしている737 Max 8機の安全性に対する懸念が広がっている。
737 Maxシリーズはボーイング社が製造するボーイング737の第4世代小型旅客機で、737 Max 7、737 Max 8、737 Max 9、737 Max 10がある。うち、737 Max 8は2016年に初飛行し、17年5月にマレーシアのマリンド・エアに初号機が納入され、商業運航が始まった。公開されている統計によると、737 Max はボーイング製の旅客機の中で最も人気の機種の一つで、世界中の航空会社に200機以上が既に納入されている。中国国際航空や中国東方航空などの中国の主な航空会社でも運航している。エチオピア航空が公開している情報によると、墜落した737 Max 8機は昨年11月15日に納入され、飛行時間はおよそ1000時間だった。
ライオン航空610便が墜落して以降、事故調査は、737 Max自体に焦点が当てられ、空中姿勢の制御に必要な「AOAセンサー」が誤った情報をフィードバックする可能性があると指摘されていた。ブルームバーグ社の当時の報道によると、パイロットが手動操縦中に、その問題が起きると、AOAセンサーから失速しそうになるという誤ったデータが送られ、737 Maxは自動的に機首を下げるのだという。
その後、ボーイング社は737 Maxシリーズの飛行機を運航している全ての航空会社に対し同機の運航マニュアルについての通知を送付し、センサーからの誤った情報に乗務員が対処する手順を伝えた。飛行中の飛行機にとって重要な指標である迎角が大きすぎると失速し、主翼は上昇する力を失ってしまう。