15日に開幕するアジア文明対話大会に出席するシンガポールのハリマ・ヤコブ大統領が人民日報の独占インタビューに応え、「アジア文明対話大会は多くの国の指導者や政府高官、関連の国際組織の責任者、文化分野の代表たちに経験や考え方を分かち合い、交流する機会を適した時期に提供することになる。『和して同ぜず』の社会づくりをどのように進めるかを、共に考えることができる。文明の相互参考は、調和・平和・繁栄を促進する。アジアでは文化交流が長期にわたって行われてきた。グローバル化が進むにつれ、文化交流は、アジア域内から世界各地へと拡大し、一層多くの人が経験や知識を分かち合う機会が作り出され、世界の発展とイノベーションが促進されている。こうした交流は、人々が科学、テクノロジー、思想などの面で互いに啓発を与え合い、世界の貿易や投資を牽引し、各国間の相互理解を促進している。文化や社会的な規範の面で大きな違いはあるものの、皆が互いに理解し、協力し、平和に、平等に共存し、互恵・ウィンウィンを実現している」との見方を示した。人民日報が報じた。
来年は中国とシンガポールの国交樹立30周年を迎える。両国関係の展望について、ハリマ・ヤコブ大統領は、「シンガポールと中国は長期にわたって深い友情と協力関係を築いてきた。2015年、両国は、時代に即して発展変化する包括的な協力パートナーシップを築き、協力が新たな高みへと押し上げられた。両国間の協力は強固で、幅広く、将来を見据えている。両国間の経済協力は今後も良好な進展を見せるだろう。2008年、シンガポールと中国は自由貿易協定(FTA)に調印した。中国にとってはアジア諸国との初めての包括的な両国間FTA協定となった。そして、2018年、両国は改定協定に調印した」と述べた。
両国間の協力について、ハリマ・ヤコブ大統領は、「シンガポールは『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブに早くから賛同し、支持してきた。両国の政府間協力プロジェクトである蘇州工業パーク、天津生態シティ、重慶戦略的コネクティビティモデルプロジェクトは優れた進展を見せている。今後、中国と両国間協力を強化し、例えば、『一帯一路』イニシアティブの枠組みの下での第三国市場協力の開拓やスマート都市の協同発展など、新たな協力の分野を開拓することを願っている。両国が密接で互恵の関係を築いていることで、中国は相手の国の大小にかかわらず、協力し、互いの文化が似通っているというメリットを生かしながら、人口規模、文化、歴史、戦略的観点などの違いから生まれる異なる世界観、優先事項を尊重するということを世界に示している」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年5月14日