ここ数日、新型コロナウイルスの感染が日本で広がっている。日本の専門家は「日本国内は新型コロナウイルスの感染発生の早期の段階にある」と指摘。すでにコミュニティーへの拡大段階に入っており、対策圧力は倍増したとする専門家もいる。これまで、日本各界は中国の新型肺炎対策を積極的に支援してきた。中国としては、どのようにしてできる限りの支援をすれば良いだろうか。筆者は「技術協力を中心、物資の支援を補助」とする原則に基づき、緊急の衛生協力を実施し、感染症と共に戦うべきだと考える。(文:謝錚・北京大学公共衛生学院世界衛生学部准教授。環球時報掲載)
新型コロナウイルスは新しいタイプのウイルスであり、その発生メカニズム、流行の趨勢、感染経路、診療方法についてまだ科学界に定説はない。中国はこれまでの対策において、いくつか効果的なノウハウを得てきた。すでに中国は臨床診療プロトコル、有効な薬品、コミュニティーでの感染拡大防止のノウハウ、市民への健康教育に関する情報などを少なからず蓄積しており、日本側と共有することができる。特に、日本で新型コロナウイルスのコミュニティーへの感染拡大のリスクが生じていると見られるが、中国には一部の地域でこれについての効果的なノウハウがある。例えば四川省などはマラリアなど感染症を根絶した経験を参考にし、リスクに応じてコミュニティー毎にレベルとカテゴリーを分けて管理するなどだ。
技術協力面では、診療技術、診療プロトコル、診療ガイドラインを総括したうえで、情報技術分野での中日両国の良好な基盤を利用して、遠隔診療、通信設備、AIなどの技術を通じて遠隔医療協力を実施することができる。
現在、新型コロナウイルスによる肺炎は厳しい状況にあり、世界的に医療物資の備蓄が不足している。特に感染症関連のマスク、防護服、防護ゴーグル、手袋などが不足している。だが、中国国内の感染状況は徐々に制御され、各地で工場が操業を再開しており、今後医療物資の生産は増加し続ける見通しだ。適切な時期に、日本側の必要とする医療物資を適切な量支援することができる。実際、中国はすでに日本に新型コロナウイルス核酸検査試薬キットを寄贈した。
中日間の衛生協力は広範で、感染症、非感染性疾患、女性と子供の健康、高齢化、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジなどの分野に及ぶ。新型コロナウイルスによる肺炎は中日にとって、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ、中東呼吸器症候群(MERS)に続く新たな試練だ。双方が一致協力することは、自国及び地域の衛生安全上の利益を守るうえで重大な意義を持つ。今回の新型肺炎との戦いを通じて中日間の衛生分野の緊急協力メカニズムを強化し、相互理解と友情を増進し、非伝統的な安全保障上の脅威に共同対処するための協力の基礎を固めることを期待する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月26日