「防備は必要だが、過度に反応する必要はない。WHOは各国にいかなる渡航・貿易制限措置も提言しない。WHOは証拠に基づき人々の納得する措置を講じるよう各国に呼びかける」。2月3日に開催された世界保健機関(WHO)執行理事会の第146回会議で、テドロス事務局長は専門的観点から現在すべきは何か、すべきでないのは何かを明確に語り、パニックに陥らないよう呼び掛けた。数10か国の代表が「中国の予防・抑制・診療措置は模範的だ」と称賛し、「中国の人々と共にこの感染拡大阻止の戦いに勝利したい」と表明した。パニックの広がりが感染拡大よりも恐ろしく、自信を奮い立たせることこそが重要であることに疑いはない。(人民日報「鐘声」国際論評)
報道によると、2009年に米国で発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)では163万2300人が感染し、28万4500人が死亡して、致死率は17.4%にも達した。今回の新型コロナウイルスの感染による肺炎は中国側のたゆまぬ努力の下、中国国内の致死率は約2.1%と、過去の他の感染症を遥かに下回る。2月1日からは治癒した人の数が死者数を上回り始めた。この感染症が制御可能、治療可能であることは明らかだ。だが、WHOが不必要な措置を講じて国際旅行を妨げる理由はないと明言し、中国に対する渡航制限措置を主張せず、反対すらしたばかりの時に、米側は中国への渡航に関する勧告を戦乱中の国と同じ最高レベルに引き上げ、米国民の中国渡航を禁止したうえ、過去14日以内に中国に渡航した外国人の入国も禁止した。米側は最初に領事館職員を武漢から退避させ、最初に大使館の一部職員を退避させる方針を打ち出し、最初に中国国民の入国を全面的に制限することを発表した。米国土安全保障省の高官も今回の感染症について「米国民に対する全体的リスクはまだ低い」と考えている中、米側のやり方が事実の基礎と科学的根拠を欠いているのは明らかだ。米国の専門家も「米側は行き過ぎた自信からパニックと行き過ぎた対応へと変わりつつある」「この措置は科学的根拠がなく、利点もない」と考え、その「速やかな撤回」を提言している。
感染症は全世界共通の敵であり、これを前に最低限の同情と社会的に正しい道理を欠くことがあってはならない。だが不幸なことに、世界の正義のパワーが手を携えて新型肺炎を迎え撃っている中、米国の一部の政治屋はそこから政治的私利を得るのに忙しく、すでにその言動は人類文明の守るべき一線を越えている。最初にロス米商務長官が新型肺炎は雇用機会を米国に押し戻す助けになると公に発言。ポンペオ米国務長官も先日中央アジアを訪問した際に新型肺炎を利用して中国と近隣国との関係に公然と水を差した。さらにひどいことに、トム・コットン米上院議員は最近繰り返し中国を誹謗し、「中国を封じ込めろ」「全ての米国人は中国から逃げろ」とわめきたてている。コットンの発言を「新型コロナウイルスよりもずっと危険だ」と鋭く指摘する米国のネットユーザーも少なくない。
感染症を前に、支援の手を差し伸べるのか、それとも人の危機につけ込んで追い打ちをかけるのか。これは根本的是非と大義の選択の問題だ。良識と正義は、理解・同情・支持・団結のパワーが最後には主流になると確信している。多くの国々や国際組織が現在、積極的に医療・防疫物資を調達し、中国に輸送している。中国に友好的な世界の多くの人々が様々な方法で中国の感染症との戦いに声援を送り、「がんばれ武漢」「がんばれ中国」の声が各地で上がっている。物的支援も心の支持も、心を一つにして共に困難を乗り越えるポジティブなエネルギーをはっきりと示している。これは互いに運命と苦楽を共にする人類社会のあるべき美しい光景だ。
感染症を前にして、道義を測る物差しがある。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月5日