「感染症との闘いにおいて国際協力の足並みを揃えるうえで、国連と世界保健機関(WHO)がしかるべき役割を果たすことを断固として支持するとともに、マクロ経済政策の協調、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定維持を強化する必要がある」。習近平国家主席はこのほど外国の指導者との電話会談で、世界が感染症と戦う中、世界経済の安定的発展の道を保つ必要性を改めて明示した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、グローバル産業チェーン・サプライチェーンが厳しく試されている。各国が人類運命共同体の理念を堅持して団結と協力を強化し、グローバル産業チェーン・サプライチェーンに対する感染症による打撃を軽減することは、感染症の暗雲を払う助けとなるだけでなく、世界経済の回復・発展における鍵となる。(人民日報コラム「和音」掲載)
グローバル産業チェーン・サプライチェーンを優れたものに変えるために環境を整備し続け、世界の発展によりよく貢献する。これは人類運命共同体を構築するうえで担うべきことだ。だがここしばらくの間、特定の国の一部の政治屋は感染症を利用して、国際分業にもたらされたという「脅威」をでっちあげ、グローバル産業チェーン・サプライチェーンに干渉し、さらにはこれを再編する必要があると主張している。このような論調は経済グローバル化の大勢と逆行するものであり、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの法則を踏まえた安定的発展という内在論理にも合致しない。
「中国の統計に基づき、我々の大多数の加盟企業は中国を離れることはない」。中国市場を長年開拓してきた中国米国商会( AmCham China)のAlan Beebe会長による最近の産業チェーン・サプライチェーンの変化に対するこの認識は、「あらゆる代償を辞さずサプライチェーンを引き揚げる」という西側の一部政治屋の論調と明らかに異なる。中国米国商会の最新調査によると、感染症の影響を受けても、中国市場から撤退する考えを表明している企業は少ない。ブルームバーグによると、米企業は依然中国という膨大かつ将来性ある消費市場に専心している。彼らが中国で生産する多くの製品はすでにローカライゼーションを狙っている。これは経済グローバル化の一段と力強い在り方の一つだ。
新型コロナウイルス感染症によってグローバル産業チェーン・サプライチェーンの強靭さが試されている。各国はグローバル産業チェーン・サプライチェーン全体の安全をより重視するとともに、現地化、地域化、グローバル化の配置戦略の科学的調整を重視している。だが産業チェーンやサプライチェーンのシフトは容易ではない。国際分業に基づく産業チェーンとサプライチェーンがすでに現代世界の生産プラットフォームを形作り、現代世界の経済構造を構成していることを、よく理解する必要がある。人為的なチェーンの切断、障壁の設置は、いずれも多大な破壊効果を生む。短期的にはインフレという代償を支払うだろう。長期的には、企業経営への政府の過度の干渉は市場法則を歪め、経済発展にボトルネックをもたらすだろう。
市場法則に順応してこそ、発展に助力できる。中国がグローバル産業チェーン・サプライチェーンの活気ある一部であることに目を向けるべきだ。過去数10年間の建設と改革開放の実践による練磨を経て、中国の有する世界で最も整った産業システムは、すでに世界の経済生態系の望ましい循環に深く融合し、世界に歓迎されている。新型コロナウイルスが世界経済に打撃を与える中、中国は国際分業に積極的に参加し続け、世界のパートナーと共にグローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定を維持している。これは世界経済の安定と世界の発展に対する重要な貢献だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年5月15日