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新たな商機到来か 中国の「無人経済」が加速モードに

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年08月18日15:52

新型コロナウイルス感染症が発生してから、一連の新産業が新たなチャンスを迎えている。「無人経済」はそのうちの1つだ。無人経済とは主に、無人サービスを指し、スマート技術 に基づいて、新小売や娯楽、生活、健康などの消費シーンの中で販売員もレジ係もいない状態を実現するサービスだ。無人カフェ、無人スーパー、無人小型車短距離貨物輸送、ドローンによる上空からの観測や消毒作業などの応用シーンが登場して、人々は無人経済の便利さを実感している。

ますます多くの無人業態にはどのような技術が応用されているのか。生産や暮らしにどんな変化をもたらしたのだろうか。

無人経済が新たな消費シーンを創造

小売や外食、娯楽、健康などの消費シーンの中で、販売員やレジ係、案内係、サービス係、配送員を必要とせず、スマート技術に基づいて無人サービスを提供する新業態が、雨後の竹の子のように次々誕生した。無人経済はサービス業の中で大きく躍進し、突如襲来した感染症がこの流れをさらに加速した。

すでに2017年には、無人商品棚と無人コンビニが登場して、従来の小売業者に危機感を感じさせていた。そして無人小売産業は瞬く間に誰もが関心を寄せるビジネスチャンスになった。企業情報サイトの企査査がまとめたデータによれば、現時点で全国には無人小売関連で経営活動を行っている企業または経営活動は行っていないが存続している企業が1万6千社あり、このうち91社が融資を獲得した。今年1月から現在までの間に、中国では新たに会社登記を行った無人小売関連企業が1837社あった。今年1-5月の登記件数は前年同期比で26.3%増加した。

また、自動運転や無人配送、無人小売、無人ホテル、無人カフェ、無人物流などの新業態が、多くの大・中都市にすでに登場している。

関連機関がまとめたデータによると、今年5月末現在、中国のドローン関連企業は5万5千社を超え、ドローン小売関連企業は1万6千社に達し、自動運転関連企業は1万1千社を超えた。今年1-5月には、無人小売企業だけで、新たに企業1827社が設立され、前年同期比で37%増加した。

上海にある国家スマートコネクテッドカーテストモデルエリアのテストコースでは、滴滴出行の自動運転車がすでにテスト営業を開始している。また、北京のサラリーマンの中には、昼時にフードデリバリーサービスを担当するのが、原付にまたがったデリバリー配達員からテクノロジー感満載の自動運転車に変わったことに気づいた人もいる。

無人デバイスの応用が物流産業への拡大発展を加速させている。感染症の期間中に、京東は河北省白洋淀近くでドローン路線を開通し、「Y-3 max」機を利用して周辺の村に生活に必要な物資を送り届けた。ドローンによる食品デリバリー、ドローンによる宅配便の配達が、多くの大手物流企業が注目する新モデルになりつつある。

顔認証でドアを開けて部屋に入る、音声による対応でハードウエアのコントロールを実現する、ロボットが食事を運び洗濯するなど、ホテル業では、阿里巴巴(アリババ)傘下の菲住布渇(フライズーホテル)が無人化運営を実現し、無人化ホテルをコンセプトから実践へ進展させた。菲住布渇は杭州でオープンしてからすでに1年半がたち、全シーンにわたって個人識別や人工知能(AI)といった先端技術を応用することにより、運営コストが低下したという。

製造から「スマート」製造へ

無人経済は商業分野だけでなく、製造分野もカバーしている。たとえば無人工場だ。産業用ロボットは工業生産の中で、人間に代わって単調かつ煩雑で繰り返しの多い長時間の作業を行うことや、危険で劣悪な環境の中での作業を代わりに行うことが可能で、自動車製造や電子・電気などの業界で幅広く応用されている。企査査によると、2019年に中国の産業用ロボット関連企業は新たに1万2千社が会社登記を行い、昨年同期比で11.6%増加した。2020年は1月から現在までで6802社が新規で会社登記を行ったという。

国家発展改革委員会をはじめとする13当局がこのほど共同で通達した「新業態・新モデルの健全な発展の支援と消費市場活性化による雇用拡大牽引に関する意見」は、新技術に基づく無人経済を発展させ、スマート工場の建設を支援し、生産過程の透明化、生産現場のスマート化、工場の運営管理の近代化を実現することを提起した。

上海市はこのほど、「100+ベンチマーク的無人工場特定プロジェクト」を実施して、22年をめどにベンチマークとなる無人工場100カ所とモデルとなるスマート工場10カ所を建設すると発表した。実施過程で、新たにロボット約1万台を増やし、生産効率を平均で20%以上引き上げ、運営コストを平均で20%以上引き下げるという。広州市にある美的集団のスマート工場では、ロボット200台あまりがロボットアームを動かしてせわしく作業をしており、蒸発器の生産ライン1本だけでも作業員は11人から2人に減った。注文を受けたエアコン1台を出荷するのにかかる時間は、これまでの20数日間が9日間に短縮したという。

工場のスマート化だけでなく、危険度の高い業界や劣悪な作業環境の中で、ロボットが人間に代わって危険な作業を行うこともできる。

農業分野では、無人トラクターやスマートコンバイン、無人除草機、搾乳ロボット、農業自動化・コントロールシステムなどが生産に大きな影響を与え、スマート農業の発展を後押ししている。

南京大学コンピューター応用研究所の王崇駿副所長は、「製造業から農業生産まで、港の埠頭から鉱山まで、スマート化が新たな産業革命の典型的な特徴となり、AIが実体経済にエネルギーを与えるというのが、すでに共通認識になった」と述べた。

品質型人口ボーナスの成長ポテンシャルは大

無人化されたシーンがどんどん広がると、雇用に影響が出るのではないかと懸念する人がいる。

上海交通大学安泰経済・管理学院の陳憲教授は先ごろ、「短期的な影響は避けられないだろうが、長期的にみれば必ずしも影響があるとはいえない。無人化で失われた雇用は、別の場所で新たな雇用チャンスを生み出す可能性があるからだ」との見方を示した。

陳氏は、「無人経済のバックグラウンドでは、引き続きデータを管理する人材が欠かせない。従来のサービス業のポジションと新しいポジションとの間で、置き換えが行われるだろう」と述べた。

また陳氏は、「経済学の長期的な分析を踏まえると、私は無人経済の未来に悲観的ではない。特に今、中国では数量型人口ボーナスが減少しているが、品質型人口ボーナスにはなお大きな成長のポテンシャルがある。これまでの単純な労働者が、教育・トレーニングを受けたハイレベルの労働者へと変われる可能性があり、こうした品質型人口ボーナスは、中国の今後の経済成長を支える要素の1つになる」との見方を示した。(編集KS)

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「人民網日本語版」2020年8月18日

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