日本の学者の「新疆ジェノサイド」反論文、日本メディアに掲載されず (2)

 2021年05月21日16:52

日米が「中国叩き」で一致

2020年11月、菅義偉首相が今年2月(後に新型コロナウイルス感染拡大により4月に延期)に訪米して日米首脳会談を行うとの情報が伝わった後、日本メディアは米国が日本に対し新疆や香港地区などの問題についてより強硬な態度を示すよう要求するだろうと推測した。今年に入ってから、日本は日米首脳会談や米日外務・防衛閣僚会合「2プラス2」など多くの外交の場面で、新疆や香港地区のいわゆる「人権問題」に対する懸念を表明している。これに対し、中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は日本の茂木敏充外相との電話会談で、日本は煽り立てられて追従するのではなく、「手を伸ばしすぎるべきではない」と直言した。

復旦大学日本研究センターの王広涛准教授は19日、環球時報の取材に対し、「菅首相は安倍前首相の政策を数多く引き継ぎ、その中国に対する立場は相対的に穏健なものだ。しかし菅首相が日本国内の政権運営でボトルネックにつき当たり、国際的に中国に対する非友好的な雰囲気が増すにつれて、菅首相の対中政策は強硬路線へと向かい始めた。このほか、自民党と他の一部党派が超党派の議員連盟を結成し、自民党上層部に新疆と香港地区に関する問題に注目するよう促しており、日本が中国に対し攻撃性の強い政策方針を取るようになってきている。こうした面における米国要因は無視できず、バイデン大統領の就任以来、日米関係は『より接近』してきている」と指摘した。

岡田氏は、「米国は中国を『唯一の競争相手』として、同盟国に米国か中国かの選択を迫っている」とし、結果として日米は「中国叩き」の側に立つことで一致したと指摘。「その結果、日米共同声明に台湾地区問題を明記し、香港地区、ウイグル問題という中国内政について懸念を表明したが、これらが『中日共同声明』に違反している意識は世論にはほとんどない」と述べた。

国力の差により日本の対中世論が急速に悪化

岡田氏は、中日の力関係の逆転は、GDP総値に表れているだけでなく、新型コロナウイルス感染症が両国間の国力差を拡大したと指摘し、「中国がコロナ禍抑制にいち早く成功する一方、日本は2021年1-3月期のGDP成長率が5.1%減と、戦後最悪の状況を記録した。ワクチン接種が遅れていることもあり、コロナ抑制のめども立たない。コロナが日中両国の国力差を拡大したのだが、多くの日本人は日中の逆転という現実を受け入れたがらず、それが中国に対する『怨嗟』の感情を煽り立てる心理的背景になっている。中国が強くなればなるほど中国への悪感情が世論調査に表れる。言論NPOが発表する世論調査で日本人の中国イメージが好転しないのも、それを裏付けている」と述べた。

村田氏もこれに賛同する。村田氏は、「以前と比べ、日本国内の対中世論の雰囲気が急速に悪化しており、外交政策上さらに米国寄りになっている。しかし日本は経済面で中国と密接な関係があるため、独立した独自の外交的立場を取るべきだ」と述べた。

取材の際、村田氏はある友人(故人)について触れた。その友人は生前、ウルムチ地下街の建設に携わり、新疆と中国に対して深い思い入れがあったという。村田氏は、「もし彼が生きていて、西側諸国がこんなふうに新疆を非難し、日中関係が現在のような状況になっているのを見たら、きっと心を痛めるだろう」と語った。(編集AK)

「人民網日本語版」2021年5月21日    

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