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【ぶらり北京】什刹海と鼓楼界隈で冬の名物を満喫!編

人民網日本語版 2022年01月27日13:45

北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は冬の什刹海と鼓楼界隈をぶらりと歩いて、北京の冬の名物を満喫してきました。でも、この2人が満喫するということは……やっぱり最後はもぐもぐタイム?

【滑る!】什刹海屋外スケート場で冬のスポーツを満喫

北京の中心部にある什刹海エリアには、前海と後海という池があり、冬場には池の水が凍結する。ここは北京っ子にとってはまたとない天然のスケート場で、年配の人の中には子供の頃ここでスケートを覚えたという人も多い。管虎(クワン・フー)監督の映画「老炮児」(日本語タイトル「ロクさん」)では、主人公のロクさんを演じる馮小剛(フォン・シャオガン)がなかなかの腕前を披露している。

鼓楼と鐘楼を眺めながらスケートやそり遊びなどが楽しめる什刹海スケート場(撮影・勝又あや子)

今では池に自由に出入りして滑ることはできなくなっているが、毎年元日を過ぎた頃になると屋外スケート場がオープンし、冬空の下でスケートを楽しむことができる。スケートエリアではスケート靴の貸し出しもしているので、什刹海エリアの観光ついでにひと滑り!なんてこともできるし、普通の靴のまま入場してそりや氷上自転車で童心に帰って遊ぶこともできる。今年は新たにリアルなぬいぐるみがついた「ハスキー犬ぞり」も登場。まるでアラスカに旅した気分にもなれる?

什刹海スケート場に新たに登場した「ハスキー犬ぞり」(撮影・ 勝又あや子)

北京冬季五輪の微博(ウェイボー)公式アカウントが最近発表したショート動画「故宮里的冬奥会」(故宮の中の冬季五輪)によると、故宮博物院が所蔵している明代や清代などの古い絵画に、冬のスポーツを楽しむ昔の人々の姿が描かれている。昔の人たちも鼓楼や鐘楼を眺めながら冬のスポーツを楽しんだのかと想像すると、なかなか趣深い。

【眺める!】鐘楼から雪の鼓楼と中軸線を一望に

什刹海屋外スケート場を後にし、鼓楼へと向かう。鼓楼に登って、今滑ってきた什刹海を眼下に眺めようと思っていたのだが、なんと改修中でお休み。それならばと、鼓楼の北側にある鐘楼に登ってみた。

鼓楼も鐘楼も、往時は北京の人々に時を告げる役割を果たしていた。鐘楼は元代に建てられたが、その後火災で焼失。明の永楽18年(1420年)に再建されるも、やはり火災に遭って消失した。その後、清の乾隆10年(1745年)から2年かけて再建された。

雪の鐘楼(撮影・勝又あや子)

鼓楼と鐘楼は、往時の北京城内の真ん中を南北に走る「中軸線」上に建っている。かつての中軸線の南端は永定門、北端は鐘楼とされていたが、現在では中軸線の概念は北へと延長され、開幕が迫ったオリンピック公園までが中軸線とされている。昨年9月に「ぶらり北京」で訪れた北京五輪タワーも中軸線上にある。

【ぶらり北京】高いところから北京を眺めてみた!編

http://j.people.com.cn/n3/2021/0929/c94475-9902243.html

しかし、最初に建設された元代の鼓楼と鐘楼は、実は今の場所よりも少し西、旧鼓楼大街の南端にあったという。「なるほど!旧鼓楼大街の旧とは明代から考えての旧だったのか!」と膝を打った。

鐘楼からの眺め(撮影・勝又あや子)

「高い、急、滑る」とチケット売り場の人に脅されて登った石造りの階段は、まさにその言葉通りの「心臓破りの階段」だった。しかし、息を切らせ、足をプルプル震わせながらようやく登り切り、鐘楼の上から眺めた北京の雪景色は、目にも心にもしみる絶景だった。鼓楼と鐘楼がある辺りは今も古い町並みが残っており、昔からの北京の雰囲気が味わえる。天気がよければ、道端でトランプや中国将棋に興じる人々や、椅子を出して日向ぼっこをするお年寄り、広場で羽根蹴りをするグループなどの姿をよく見かける。家の軒下にハト小屋を作ってハトを飼っている人も多い。この日も、近所の人が放したと思われるハトが雪空を舞っていた。

【食べる!】光緒19年創業の老舗で羊肉しゃぶしゃぶに舌鼓

冬のスポーツと観光を楽しんだ後は、舌で冬の名物を味わおう。冬においしい北京のグルメといえば、やはり羊肉のしゃぶしゃぶ「涮羊肉(シュワンヤンロウ)」だろう。地下鉄の鼓楼大街駅から少し北に行ったところにある金生隆は、清の光緒19年(1893年)に開業した老舗。羊肉しゃぶしゃぶと、羊や牛のモツをゆでた「爆肚(バオドゥ)」の名店だ。

涮羊肉の起源には諸説あるが、一番有名なのは、元の世祖フビライが行軍の途中で発明したという説だ。行軍と敵陣の攻撃への対応の速度を上げるために、フビライがすぐに火が通るよう羊肉を薄く切らせ、お湯でゆでて塩をつけて食べたところ美味しかったため、それが元朝の人々の食卓に上るようになったと伝わっている。

冬になると特に恋しくなる涮羊肉(撮影・勝又あや子)

金生隆の羊肉はすべて生。しかも部位ごとに提供し、その種類は8種類にも上る。4代目として店の経営を取り仕切る馮夢涛さんのオススメは、あばら肉の「羊筋肉」、背中の肉の「羊上脳」、後ろ腿の内側の「黄瓜条」だ。野菜など他の具材は入れず、まずは肉からしゃぶしゃぶするのが「涮羊肉の掟」。馮さんによると、まずは脂身の多い羊筋肉などから食べ始めるといいという。四川風の激辛火鍋などと違って、涮羊肉のスープはお湯にネギや生姜などを入れただけ。お肉からの油がよくまわったところで野菜を食べたほうが美味しく食べられるのだという。そして調理法がシンプルなだけに、食材の鮮度とタレが各店舗のこだわりどころだ。

冬場になると、羊肉を食べて滋養をつけようと思う人が増えるのか、涮羊肉の店には多くの客が詰めかける。冷え込む冬の夜に、涮羊肉店の窓が店内の蒸気で曇る光景は北京の冬を代表する光景の一つだ。

涮羊肉店の窓が湯気で曇る光景は北京の冬の風物詩の一つ(撮影・勝又あや子)

什刹海で氷上自転車に乗り、かつて北京の人々に時を告げた鐘楼から北京の雪景色を眺め、清末から続く老舗で羊肉しゃぶしゃぶに舌鼓。北京冬季五輪の開幕を前に、冬のスポーツと冬のグルメを満喫した一日となった。(文・勝又あや子)

「人民網日本語版」2022年1月27日

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