このほど米国・ニューヨークのタイムズスクエアの特大スクリーンに登場した写真が話題を集めている。黄色人種、白色人種、黒色人種の女性モデル3人が、それぞれの美しさを見せながら一つの画面に収まっている。「All in Love」という題名のこの写真は、中国の新進カメラマンの羅氷氏の作品だ。
写真の中の中国人女性モデルは、一部の海外のファッション写真で見られるような、「一重の細いつり目」、「独特な顔」という東洋人のイメージとはまったく異なる姿をしている。
中国のネットユーザーからは、「これこそ中国の美人」、「真の中国の顔」……といった声が上がった。
これまでに、カメラマンの陳漫氏の作品や食品メーカーの三只松鼠の広告写真が、モデルにわざわざ「つり目」のメイクを施したとして世論の批判を受けた。その背後には、西側世界が長らく中国人に対して抱いてきたステレオタイプの美のイメージがあふれている。
実際の目の大小にかかわらず、わざと目を細める動作や指で目尻を引っ張る「つり目」の動作はアジア人に対する侮辱であり、西側の人はいまだにアジア人や中国人をおとしめたり醜く描いたりすることを続けている。2021年8月には、イタリアの女子サッカーチーム「ユベントス」が大いに物議を醸した写真を投稿した。選手がオレンジ色のサッカーコーンをかぶり、目尻を指で引っ張る「つり目」ポーズをしている写真で、タイ出身の選手を侮辱する行為と批判された。
最近は米国のノースウェスタン大学のバスケットボールの試合で、観客の男性がアジア人の学生に「つり目」ポーズをし、会場から退場させられるということもあった。
人々は容貌そのものにノーと言っているのではなく、芸術を盾に人種差別の意味合いがあるイメージをわざわざ作り出すという行為にノーと言っている。
また、最初の動機が何であれ、ステレオタイプの美のイメージに迎合することは、逆の方向で中国に対するステレオタイプのイメージを強化するだけだという見方もある。
中国人カメラマンの羅氷氏のこのシリーズ写真は、これまでの決まり切ったイメージとは明らかに異なる。
羅氏は留学経験があり、作品は独特のスタイルを持つ。米国で#Stop Asian Hate(アジア人へのヘイト行為をやめよう)♯のデモに参加したこともある。このデモは新型コロナウイルス感染症が蔓延する状況の中、米国でアジア系の人々に対するものも含めて「ヘイトクライム」が激化する状況の中で行われた。
羅氏は自らの体験をヒントに、「All in Love」シリーズを撮影した。羅氏は、「自分から見ると、いろいろな人種の肌の色は、ただ濃淡が違うだけのことで、パレットのように溶け合って1つになるといい。どんな肌の色でも、美しさ、優雅さはすべての女性の代名詞であるべきだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年1月25日